佐藤観次郎

佐藤観次郎 (さとう かんじろう)

佐藤観次郎は、1901年8月19日に愛知県海部郡蟹江町舟入で生まれ、1970年3月3日に68歳で亡くなった著名な政治家およびジャーナリストです。戦前及び戦後にわたり、日本社会党に所属し、衆議院議員を8期に渡り、約19年間務めました。愛称は「サトカン」として親しまれています。

来歴

彼は小学を卒業後、旧制海城中学校を経て1928年に早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業しました。1930年に中央公論社に入社し、1933年には同雑誌の編集長に就任します。この時期は検閲が厳しい時代でしたが、彼は編纂に専念し、1936年までその地位に留まりました。その後、1937年には中京新聞社の取締役編集総務としても活動しました。

太平洋戦争中の1942年には主計大尉としてフィリピンに進駐しました。戦後、彼は1947年の第23回[[衆議院議員総選挙]]に愛知県第3区から出馬して当選。日本社会党に所属し、1949年の選挙で落選したものの、1952年に再当選し以来第31回まで連続当選を果たしました。衆議院文教委員長などの要職も務め、また中日本自動車短期大学の学長としても尽力しました。

1970年に急性肺炎で亡くなった際、従三位勲一等瑞宝章が死後に贈られ、彼の葬儀は蟹江町立蟹江中学校体育館で行われ、地元関係者が多数参列しました。

人物

佐藤は、永井荷風や吉川英治、谷崎潤一郎などの著名な作家と親交が深く、吉川英治は佐藤の勧めで蟹江町を訪れることが多く、その風景を「東海の潮来」と称し、日光川のそばには彼を記念した句碑も建てられています。彼は釣り好きでも知られており、自著『つり自慢』を出版するなど、釣りに情熱を注いでいました。特に、「演説や応援弁士は夜の仕事。釣りの時間は朝からお昼まで」との名言が残されています。

晩年には、釣りを好む国会議員と共に超党派の「国会つりの会」を結成。約8,000冊の蔵書を地元に寄贈し、これを基に1966年に蟹江町立図書館が開館しました。川端康成が「佐藤観文庫」の揮毫を行ったことも、彼の文化的な影響を示しています。

家族

佐藤の家族には、妻の富（1909年生まれ、渡邊鉦太郎の娘）がおり、子供も議員として活躍した長男・観樹（1942年生まれ）、他に長女、二女、三女がいます。

主な著書

佐藤は多くの著書を執筆しており、代表作には『自動車部隊』(1940年)、『少年通信兵』(1944年) 、『文壇えんま帖』(1952年)などがあります。彼の言葉と行動は、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

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