使用済自動車の再資源化等に関する法律

自動車リサイクル法について

自動車リサイクル法（使用済自動車の再資源化等に関する法律）は、2002年7月12日に公布された、使用済自動車のリサイクルを促進するための日本の法律です。この法律は、循環型社会の形成を目指し、資源の有効利用と環境負荷の低減を目的としています。

法律の概要

この法律は、2000年に制定された循環型社会形成推進基本法に基づき、2005年1月1日から完全施行されました。主な目的は、使用済自動車から出る資源をリサイクルし、有効活用することです。自動車メーカーにはリサイクルの責任が課せられ、ユーザーは自動車の廃車時に発生するリサイクル費用を、新車購入時にリサイクル券を購入する形で支払うことになっています。

この制度は、自動車リサイクル促進センターが主導しており、使用済自動車のリサイクルを円滑に進めるための仕組みを構築しています。

制定の背景

日本では年間約400万台の自動車が廃棄されており、輸出を含めると約500万台にのぼります（2002年時点）。法律施行前は、使用済自動車に含まれる鉄などの金属や部品は有価物としてリサイクルされていましたが、シュレッダーダストやエアバッグ、フロン類は処理が困難で、不法投棄や不適正処理の原因となっていました。

このような状況を改善するため、自動車メーカーにリサイクルの責任を義務付け、ユーザーにリサイクル費用を負担させることで、使用済自動車の適正な処理と資源の有効活用を目指すこととなりました。

リサイクル料金の仕組み

新車登録時、または法律施行前に登録された車両については、継続車検時に所定のリサイクル料金を支払う必要があります。この料金は、自動車メーカーや車種によって異なり、一般的にバスなどの大型車の方が高めに設定されています。

法律の対象となる自動車

この法律は、以下のものを除く全ての自動車を対象としています。

被けん引車（トレーラー）
二輪車（原動機付自転車、側車付のものを含む）
大型特殊自動車、小型特殊自動車
その他政令で定めるもの

ただし、保冷貨物自動車の冷蔵装置など、取り外して再利用する装置は対象外です。また、この法律により使用済となった自動車は、その価値に関わらず廃棄物として扱われます。

二輪車のリサイクルについて

本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ、川崎重工業などの日本メーカーは、自動車リサイクル法とは別に、独自に二輪車のリサイクルに取り組んでいます。

リサイクル料金の確認

リサイクル料金は、各自動車メーカーの公式サイトで車種別に確認できます。

トヨタ
日産
スバル
その他各社の公式サイト

関連法規

自動車リサイクル法は、以下の法律と関連しています。

循環型社会形成推進基本法
特定家庭用機器再商品化法（家電リサイクル法）
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
ヤード条例

外部リンク

使用済自動車の再資源化等に関する法律　e-Gov法令検索
自動車リサイクル法の概要 (PDF) （経済産業省・環境省の連名）
自動車リサイクル促進センター
自動車リサイクルシステム

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