依仁親王妃周子

依仁親王妃 周子の生涯と業績

依仁親王妃 周子（よりひとしんのうひ かねこ）、1876年8月29日に生まれる。彼女は、日本の旧皇族であり、東伏見宮依仁親王の妃である。岩倉具定公爵の令嬢として、華族の家柄に生まれた彼女は、母の澤為量子爵令嬢・久子と共に、格式ある家庭で育ち、教育を受けた。彼女の旧名は岩倉 周子（いわくら かねこ）であり、皇籍を離脱した後は「東伏見 周子」と名乗った。

周子は華族女学校に通った後、東京女学館に転校し卒業した。その後、彼女は優れた師たちからさまざまな学問を学び、その幅広い教養を身につけていった。特に漢学や英語、和歌、絵画などの分野において独自の才能を開花させた。

1898年、依仁親王との結婚を機に彼女の新たな人生が始まる。結婚後も引き続き教養や語学を磨き、旅行や写真撮影を楽しむ生活を送った。周子はその美しい容姿に加え、社交においても才能を発揮し、欧米の外交官との交流を大いに楽しんだ。1893年にはオーストリア皇太子フランツ・フェルディナントが彼女を「非常に美しく魅力的な女性」と称賛し、結婚直後に夫がヨーロッパに出発したことを残念に思ったという記録もある。

また、周子は香淳皇后が皇太子妃だったときにその後ろ盾としても知られ、積極的に社会事業に取り組む姿勢を持っていた。母である久子の跡を継いで、愛国婦人会や大日本婦人衛生会の総裁を務めるなど、女性の地位向上に力を注いだ。

東伏見宮邸では4匹の愛犬（ジョン、タンナ、メー、フク）を家族の一員のように可愛がり、食事の際にも彼らが夫妻の膝に載ることもあったという、温かい家庭環境がうかがえるエピソードもある。

晩年、彼女は寡妃となり皇族女子の立場で活動を続けたものの、1947年に皇籍を離脱し、その後は「東伏見 周子」と名乗った。1955年3月4日に78歳で逝去。周子はその生涯を通じて多くの文化的な業績や社会貢献を果たし、今もなお多くの人々に語り継がれている。

彼女は女優・小桜葉子の伯母であり、長男の加山雄三にとっては大伯母にあたることから、芸能界でもその名が知られている。

栄典

周子はその学問や社会貢献に対する評価として、以下のような栄典を受けている。

• - 1898年5月28日 - 勲一等宝冠章
• - 1906年4月1日 - 明治三十七八年従軍記章
• - 1940年8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章

周子の生涯は、彼女が生きた時代の文化や社会に対する歩みを象徴しており、彼女の業績は多くの后妃の中でも際立って評価されるべきものである。

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