依田川

依田川（よだがわ）

概要

依田川は、長野県の中央部を流れる信濃川水系の一級河川です。流域は依田窪（よだくぼ）地方として知られています。この川は、地域の人々にとって重要な水資源であり、農業用水や生活用水として利用されています。

地理

依田川は、筑摩山地の東斜面を水源とする複数の支流が集まって形成されています。本流は和田峠に源を発する和田川で、北北東方向に流れ、上田市大屋で千曲川に合流します。本流の長さは約39.3kmです。途中で、大門峠から北流する大門川、武石峠から東流する武石川、三才山から東流する内村川といった支流が合流します。

これらの支流はいずれも細長い谷平野を形成しており、谷頭まで続いています。しかし、平地の割合は流域全体の約6%と非常に狭いです。

歴史と開発

江戸時代には、水量の少ない塩田平（しおだだいら）への引水計画が何度も持ち上がりましたが、技術的な問題や費用などの理由で実現しませんでした。しかし、昭和29年（1954年）には、上田市腰越から二ッ木峠までトンネルを掘り、途中の堰を活用することで、ようやく通水が完成しました。これにより、塩田平の農業生産性が大きく向上しました。

依田川の上流部には複数の水力発電所が設置されており、地域に電力を供給しています。これらの発電所は、依田川の豊かな水量を活用し、持続可能なエネルギー源として重要な役割を果たしています。

まとめ

依田川は、長野県の中央部を流れる重要な河川であり、流域の農業や生活に不可欠な水資源です。その歴史の中で、引水事業の成功や水力発電所の建設など、地域の発展に大きく貢献してきました。今後も、依田川は地域の人々の生活を支え続けるでしょう。

参考資料

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典』 20 長野県（初版）、角川書店、1990年7月18日、1167頁。ISBN 9784040012001。
『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』 平凡社、1979年
* 『長野県百科事典』 信濃毎日新聞社開発局出版部、1983年

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