塩田平

塩田平(しおだだいら)



塩田平は、長野県東信地方上田盆地、千曲川左岸に位置する河岸段丘です。その歴史的背景と豊かな自然から、「信州の鎌倉」という異名を持っています。

歴史



塩田平は、平安時代には国衙領である小県郡塩田郷として知られていました。その後、建春門院に寄進され、1174年には最勝光院領塩田荘が成立しました。治承・寿永の乱では、荘官の塩田八郎高光が木曾義仲のもとに参陣しました。

最勝光院の焼失後、1226年には教王護国寺領となり、年貢として白布や綾被物が納められました。鎌倉時代には、島津忠久が地頭に任命されましたが、後に北条氏の所領となり、北条義政を祖とする塩田流北条氏が塩田城を拠点としました。この時代には、鎌倉仏教や禅宗文化が栄え、「信州の学海」と称されるほどでした。室町時代には、村上信貞を経て武田氏の支配地となり、その後、真田昌幸の所領となり、江戸時代には上田藩の穀倉地帯として「塩田三万石」と称されました。

2020年には、レイラインで結ばれた「太陽と大地の聖地」として、日本遺産に認定されました。

地理的成因



塩田平は、千曲川の支流である浦野川と産川によって形成された河岸段丘です。かつて湖であった場所が、これらの川によって埋め立てられたと考えられています。

ため池群



塩田平は、年間降水量が少ない地域であるため、江戸時代からため池を多数作り、農業用水を確保してきました。大小約100のため池が、900ヘクタールの水田を潤してきました。2010年には「塩田平のため池群」として、農林水産省のため池百選に選定されました。

自然環境



塩田平は、美しい自然環境でも知られています。遊歩百選や美しい日本の歩きたくなるみち500選に選ばれており、ハクチョウ、マダラヤンマ、ハス、シバザクラなどの名所としても知られ、住民の憩いの場となっています。

民話



塩田平には、ため池にまつわる民話が数多く残っており、これらの民話を題材にしたイベントも開催されています。

治水



塩田平は、ため池群の存在によって、安定した農業生産を支えてきました。

文化財



塩田平は、塩田流北条氏の拠点として栄えたため、鎌倉時代から室町時代にかけての中世の文化財が数多く残っています。特に、以下の寺院には国宝や重要文化財に指定されている建造物があります。

安楽寺:国宝の八角三重の塔など
大法寺:国宝の三重の塔など
常楽寺:重要文化財の多宝塔
前山寺:重要文化財の三重の塔
中禅寺:重要文化財の薬師堂など
信濃国分寺:重要文化財の三重の塔
* 龍光院

これらの文化財は、塩田平の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産となっています。







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