保住直孝

保住 直孝



1974年12月10日、神奈川県横須賀市に生まれた保住直孝は、元プロボクサーです。ヨネクラボクシングジムに所属し、ミドル級のカテゴリで活躍しました。横浜高校を卒業しており、高校時代には野球部の鈴木章仁氏（元三菱ふそう川崎）、部坂俊之氏（元阪神タイガース）が同級生でした。また、1年後輩には元WBA世界ミニマム級王者の大和心がいました。

アマチュア時代からプロデビュー



高校在学中からボクシングで頭角を現し、1991年と1992年にはインターハイのライトヘビー級で連続優勝を果たしました。高校卒業後、ヨネクラジムに入門しプロボクサーとしての道を歩み始めます。1993年6月8日、西森豊選手を相手にプロデビュー戦を行い、2ラウンドKOによる勝利を飾りました。

タイトル獲得と防衛、そして世界挑戦



プロ入り後も順調にキャリアを重ねますが、1995年8月8日に行われた日本ミドル級王座決定戦では、ケビン・パーマー選手からダウンを奪うも10ラウンドKOで敗れ、プロキャリア初の黒星を喫しました。しかし、この経験を糧に再びタイトルを目指します。

1999年4月3日、日本テレビ「ダイナミックグローブ」のリングで大谷信直選手と対戦。7ラウンドTKOで勝利し、第48代日本ミドル級チャンピオンの座を獲得しました。その4ヵ月後にはテレビ朝日「エキサイトボクシング」でノンタイトル戦に出場し、初回KOで圧勝しています。初の防衛戦は2000年2月29日、堀内稔選手を判定で下し成功させましたが、同年8月1日に行われた2度目の防衛戦で鈴木悟選手に8ラウンドTKO負けを喫し、タイトルを明け渡しました。この試合では顎を二箇所骨折するという大きなダメージを負っています。

タイトル陥落後、階級は同じままOPBF東洋太平洋ミドル級王座に照準を合わせます。2001年8月1日、かつて敗れたケビン・パーマー選手とOPBFタイトルマッチで再戦。今回は9ラウンドKOで見事勝利し、第35代OPBF東洋太平洋ミドル級チャンピオンとなりました。2002年5月14日に行われたOPBFタイトルの初防衛戦では、崔光辰選手を相手に試合展開を優位に進め、8ラウンドKOで勝利しました。同年7月29日にはノンタイトル戦でガオグライ・ゲーンノラシン選手に4ラウンドKO勝利を収めていますが、この試合後にOPBF王座を返上しています。

2002年10月10日、保住選手はボクシングキャリアの頂点を目指し、WBA世界ミドル級王座に挑戦します。相手はかつて竹原慎二氏を破った経験を持つウィリアム・ジョッピー選手でしたが、10ラウンドTKOで敗れ、世界タイトル獲得はなりませんでした。その後、2004年5月1日には荒木慶大選手が保持する日本ミドル級王座への再挑戦を行いましたが、判定で敗れています。

キャリア晩年には、2006年の第3回B:Tight!（ボクシング系トーナメント）に参戦し、決勝でアマチュア13冠の実績を持つ佐藤幸治選手に敗れたものの、準優勝となりました。

エピソードとキャリアの波乱



保住選手は「練習とロードワークは嫌い」と公言するなど、練習嫌いな一面で知られていました。しかし、そのボクシングセンスは高く評価されており、ジムの先輩であり元世界チャンピオンの大橋秀行氏も「（保住選手を）最初見た時、天才かと思いましたよ」と語ったことがあります。

日本ランキング上位に位置していた頃には、当時のOPBF王者であった竹原慎二氏に対し、「竹原は逃げている」「本当に大したことない」など、数々の挑発的な発言を繰り返しました。しかし、竹原氏はすでに世界挑戦を視野に入れており、保住選手との対戦は実現しませんでした。後に竹原氏自身が、テレビでの挑発を受けて対戦オファーを出したものの、保住選手のトレーナーからの謝罪により立ち消えになったと語っています。

キャリア終盤にはリング外でのトラブルも報じられています。2008年2月23日には東京都内で公務執行妨害事件を起こし、同年6月24日に有罪判決を受けたことにより、日本ボクシングコミッション（JBC）から無期限のライセンス停止処分が下されました。処分後の2010年12月1日には、ボクシング系格闘技イベントBOXFIGHTのメインイベントに出場し、ラチャシー・シッサイトーン選手に判定勝ちを収めています。

さらに、2021年11月16日には、過去にも賭博や恐喝の疑いで逮捕歴があった保住選手が、かつて所属したヨネクラジムの先輩である大橋秀行会長や松本好二氏（元東洋太平洋フェザー級王者）、その家族らへの脅迫の疑いで神奈川県警に逮捕されたことが報じられました。メール送信自体は認めているものの、脅迫の事実は否認していると伝えられています。報道によれば、侮辱的なメッセージに加え、「家族もろとも拷問かけながら殺させるように仕向ける」といった内容のメールを送った疑いが持たれています。

戦績と獲得タイトル



  • - アマチュアボクシング：17戦17勝（無敗）
  • - プロボクシング：36戦28勝（23KO）6敗2分

獲得タイトル


著書



  • - 『歴史が代わる！「脳は選べます！今、そこで。」』 (Kindle版、2018年)

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