保田八十吉

保田八十吉

保田八十吉（やすだ やそきち、1843年10月14日 - 1919年3月16日）は、明治時代に広島で活躍した政治家、実業家、資産家であり、広島県の大地主でした。醤油・清酒醸造家「縄屋」としても知られています。

人物

広島城下京橋町の商家「縄屋」の分家（新宅）に、3代目として生まれました。幼少期には漢籍を藩儒の木原桑宅に学んでいます。

実業家としては、第百四十六国立銀行の取締役を経て頭取に就任。養蚕伝習所を設立し、製糸場を設けるなど、地域産業の発展に尽力しました。

社会貢献にも熱心で、国防費として金1000円を献納したことが認められ、黄綬褒章を下賜され、1900年には特旨を以て正七位に叙せられました。その人柄は、英資聡明、謹直温厚と評され、多くの事務をこなし、広島市の実業界における重鎮として知られていました。

家族・親族

保田家は、広島市京橋町における第一流の門閥家として知られていました。その祖先は、浅野家に仕えて紀伊国から広島に来たとされています。初代内蔵（後の太郎右衛門）は、1619年に浅野家に従い広島へ移住。島原の乱で負傷したことがきっかけで浪人となり、京橋町北側に家を購入し、移り住みました。

当初は農業を営む傍ら、紺屋と縄の商いを始め、「縄屋」を家号としました。3代目久左衛門の頃から京橋町や近隣の町年寄を務め、6代目久左衛門は藩との関係を深め、永代20人扶持を得るまでになりました。縄屋の分家（新宅）では、醤油・酒の醸造業を営んでいました。

父：七兵衛（広島平民）
長女：クメ（1871年 - ?、岩室雄次郎の妻）
養子：大吉（1873年 - ?、尼子英次郎の二男、尼子忠蔵の弟。酒、醤油醸造業を継ぐ）
同妻：キチ（1882年 - ?、保田芳太郎の長女）
同長男：七兵衛（1892年 - ?、前名・東介、酒、醤油醸造業、広島県多額納税者）
同長女：順（1906年 - ?）
同二女：朝（1909年 - ?）
同二男：仲蔵（1912年 - ?）
同三男（1914年 - ?）
同四男（1916年 - ?）
養子：奝吉（1878年 - ?、尼子忠蔵の弟。四女セイの夫）
同妻：セイ（1881年 - ?）
* 同長男（1912年 - ?）


親戚には、醤油商であり、第六十六銀行、尾道貯蓄銀行の各取締役を務めた尼子忠蔵がいます。

保田八十吉は、広島の経済と社会に大きく貢献した人物として、その名が記憶されています。

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