信濃川田駅

信濃川田駅（しなのかわだえき）

信濃川田駅は、かつて長野県長野市若穂川田に位置していた長野電鉄屋代線の駅です。1922年に河東鉄道の町川田駅として開業し、1923年に信濃川田駅に改称されました。その後、長野電鉄の発足に伴い同社の駅となり、屋代線の廃止とともに2012年にその歴史を閉じました。現在は、駅舎がバスの待合室として利用されています。

歴史

1922年（大正11年）6月10日： 河東鉄道により町川田駅として開業。
1923年（大正12年）3月12日： 町川田駅から信濃川田駅に改称。
1926年（大正15年）9月30日： 河東鉄道と長野電気鉄道の合併により、長野電鉄が発足。河東線の駅となる。
1945年（昭和20年）8月13日： 長野空襲の際、当駅に停車中の列車が米軍機による攻撃を受け、被害が発生。
1971年（昭和46年）10月1日： 貨物営業を廃止。
1983年（昭和58年）8月14日： 手小荷物営業を廃止。
1993年（平成5年）： 無人駅化。
2002年（平成14年）9月18日： 路線名改称により屋代線の駅となる。
2012年（平成24年）4月1日： 屋代線廃止に伴い廃駅。

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、無人駅でした。2線とも両方向に出発信号機を備えていました。かつては朝夕のラッシュ時に、須坂駅と当駅間の区間運転列車が運行されていたこともあります。現役時の構内には貨物用の側線があり、現在は保線車両の留置線として使用されています。また、廃車車両の解体も行われていました。駅本屋の柱に取り付けられたホーロー製の駅名標には、隣接する駅名も記載されていましたが、須坂方面の隣接駅が綿内駅と表示されており、1966年に開業した若穂駅が反映されていませんでした。

撮影地としての利用

当駅は、1980年代初頭に放映された明星食品のカップラーメンのテレビCMのロケ地として使用されました。また、2007年7月に発売された熊木杏里のシングル「七月の友だち」のPV撮影地や、信越放送創立70周年を記念して2021年に公開された映画「ペルセポネーの泪」の撮影地としても利用されました。

廃止時ののりば

番線	路線	方向	行先
-		--	--
1	屋代線	上り	須坂方面
2	屋代線	下り	屋代方面

利用状況

廃止直前の年間乗車人員と1日あたりの乗車人員は以下の通りです。

2006年度：35,768人（98人/日）
2007年度：30,586人（84人/日）
2008年度：29,007人（79人/日）
2009年度：26,108人（72人/日）
2010年度：25,779人（71人/日）

駅周辺

駅周辺には、上信越自動車道、川田郵便局、長野市立川田小学校などがあります。

バス路線

長電バスが運行しており、屋代線代替バス「屋代須坂線」（屋代駅～松代駅～大室駅～信濃川田駅～綿内駅～須坂駅）と、大豆島保科温泉線（長野駅～市役所前～南俣～大豆島東団地～信濃川田駅～若穂団地～保科温泉）が乗り入れています。大豆島保科温泉線は、平日7往復、土休日および盆・年末年始は3往復運行されています。

廃止後

駅舎と一番線ホームは現在も残っており、二番線ホーム脇の桜の木々も残されています。また、トイレは改築されました。

屋代線トレインメモリアルパーク計画

地元住民の要望により、廃止後の駅構内を「屋代線トレインメモリアルパーク」として整備する計画がありました。2000系A編成をはじめ、小布施駅の「ながでん電車の広場」に保存されていた車両などが一時的に留置されました。しかし、鉄道遺構の保存に詳しい人材不足や維持費の問題から計画は頓挫し、車両は譲渡や解体処分となりました。

一時的に留置された主な車両とその後の処遇は以下の通りです。

デハニ201: 2014年10月、安曇野ちひろ公園（松川村）に譲渡。
モハ604: 2014年10月、安曇野ちひろ公園（松川村）に譲渡。
ED502: 2015年4月、直富商事（長野市大豆島）に譲渡。
3500系O1編成: 2016年12月解体。
2000系A編成: 2019年2月解体（回転クロスシートの一部のみ保存）。
モハ1003: 2019年2月、前頭部を残し解体。前頭部は2020年3月にポッポの丘（千葉県いすみ市）へ移設。

鉄道代替バス路線

屋代線廃止と同時に屋代須坂線の運行が開始されましたが、大豆島保科温泉線は廃駅以前から運行されています。現在は、当駅が屋代須坂線と大豆島保科温泉線の乗り継ぎ拠点となっています。

隣の駅

長野電鉄

■屋代線

大室駅 (Y8) - 信濃川田駅 (Y9) - 若穂駅 (Y10)

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