俺の空だぜ!若大将

『俺の空だぜ！若大将』

『俺の空だぜ！若大将』は、加山雄三が主演を務めた日本の映画で、若大将シリーズの第16作目にあたります。1970年8月14日に公開され、製作は東宝によります。また、映画は「バツグン女子高生 16才は感じちゃう」と同時上映されました。ロケーションは伊豆、箱根、伊豆大島で行われ、多くのファンに親しまれてきました。特に、飯田蝶子や左卜全といった俳優たちの最後のシリーズ出演作としても知られています。

ストーリー概要

本作の主人公、田沼雄一（通称若大将）は、前作『ブラボー!若大将』で社長にまで昇進しましたが、今回は設定が一転し、青大将である石山新次郎の父親が経営する建設会社「東海建設」の平社員として描かれています。この建設会社に勤務しつつも、雄一の夢は人間、環境、地球が調和した未来の都市を作ることです。

ある日、東海建設ではマンション建設の反対デモが発生し、警察が出動する事態となります。そのデモの中には雄一の友人である久太郎の姿が見え、青大将は立ち退き交渉の責任者に雄一を指名します。雄一の情熱的な交渉が功を奏し、残る立ち退きの対象は一軒の銭湯「梅の湯」だけとなります。この銭湯の店主、常吉は頑固な性格で、反対運動の先頭に立っていました。

雄一は何度も梅の湯に足を運び、交渉を試みますが、常吉は取り合ってくれません。そんな中、常吉の姪である節子と敏子は、雄一の真剣な姿勢に好感を持ち始め、常吉も少しずつ心を開くようになります。しかし、次第にデモ隊との交渉は進展せず、青大将は焦りから梅の湯に無理やり突入、結果的に店主の常吉に傷を負わせてしまいます。

この事態に激怒した久太郎は若大将を勘当し、若大将も青大将の無責任な態度に対して不満をぶつけ、辞表を提出するという波乱の展開が待ち受けます。このように、映画は単なるコメディや青春ドラマに留まらず、交渉や人間関係の複雑さが描かれています。

スタッフとキャスト

本作の製作は藤本真澄と安武龍が手がけ、監督は小谷承靖が担当しました。脚本は田波靖男が執筆し、映像は逢沢譲が撮影を担当しています。音楽の広瀬健次郎、編集の諏訪三千男など、各領域で多くの才能が集まっています。

キャストには、加山雄三をはじめ、飯田蝶子、有島一郎、江原達怡、中真千子、田中邦衛、伴淳三郎など、多彩な俳優陣が揃い、作品に厚みを与えています。特に、飯田蝶子は若大将シリーズの常連であり、その活躍が光ります。

音楽とロケ地

映画の挿入歌では「美しいビーナス」がエンディングに使用され、他にも「君かも知れない僕かも知れない」や「人知れず」といった楽曲が印象的に配置されています。

ロケ地には、富士フイルム西麻布ビルや調布飛行場、成城ゴルフクラブなどが使用され、都内や周辺地域の美しい風景が作品に彩りを添えています。このように、さまざまな要素が融合し、観客に親しみやすい作品が生まれました。

もう一度検索