倉兼育康

地方[[競馬]]のレジェンド、倉兼育康氏の輝かしい軌跡

1975年生まれ、大分県出身の倉兼育康氏は、地方[[競馬]]の高知競馬場を舞台に、騎手として華々しい経歴を築き上げた人物です。少年時代は野球に情熱を傾け、中学生時には高知県へ野球留学するほどでしたが、身長の伸び悩みから進路変更を決意。中学校教頭の勧めで騎手の道へと進みます。

地方[[競馬]]教養センター卒業後、1995年10月に高知競馬場で騎手デビュー。松下博昭厩舎所属としてキャリアをスタートさせました。デビュー当初から持ち前の才能を発揮し、2003年以降は常に高知競馬のリーディングジョッキー上位5位以内に名を連ねる活躍を見せました。

数々の勝利を重ねる中、高知競馬場の廃止問題が浮上。他の競馬場での騎乗を希望するも、当時規定されていた勝利数要件を満たせなかったため、期間限定騎乗制度の利用は叶いませんでした。しかし、その高い実力は認められ、2007年7月、韓国ソウル[[競馬場]]の外国人騎手募集に応募。見事合格を果たし、韓国での騎乗生活が始まりました。

ソウル[[競馬場]]では、当初3ヶ月の予定だった短期免許を延長。その後、釜山慶南競馬場でも騎乗するなど、精力的に活動しました。韓国での騎乗期間は、高い勝率を誇り、2007年には282戦22勝（重賞1勝）、2008年には583戦44勝、2009年には191戦40勝を記録しました。

2009年5月、高知競馬場への騎乗を再開。そして、2010年2月13日、地方[[競馬]]通算1000勝を達成。7642戦目という節目の勝利は、福山[[競馬場]]で行われたレースで、1番人気に応え、見事な勝利を収めました。

韓国での活躍は留まるところを知りませんでした。2014年には、期間限定騎乗中にKRAカップクラシックで優勝。同年はソウル[[競馬場]]で101勝を挙げ、外国人騎手として初めて年間100勝の大台を突破する快挙を達成。その功績が認められ、ソウル[[競馬場]]最優秀騎手に選出されました。この年の韓国での成績は、679戦101勝2着88回という驚異的なものでした。

高知競馬場に戻ってからも、倉兼氏の活躍は止まりません。2015年には釜山慶南競馬場で騎乗を再開し、同年9月13日には、韓国競馬で外国人騎手として初の通算300勝を達成しました。更に2021年9月20日には、地方通算2000勝という偉業を達成。13986戦目での記録更新は、地方[[競馬]]史に燦然と輝く金字塔となりました。

長年に渡る騎手生活の中で、倉兼氏は様々な騎乗スタイルを確立してきました。初期は「追い込みのイク」と呼ばれ、鮮やかな捲くりと差しを得意としていましたが、近年は逃げ馬への騎乗も増え、戦法に関わらず高い勝率を維持しています。

2023年7月14日、調教師試験に合格。7月31日付で騎手を引退し、翌8月1日より調教師に転身しました。そして、2023年11月25日、管理馬初出走を果たし、翌26日には管理馬初勝利を飾るなど、調教師としても早くからその才能を発揮しています。2024年には、管理馬バリチューロで名古屋[[競馬場]]で行われたゴールド争覇を制覇。見事、管理馬として重賞初制覇を成し遂げました。

数々の重賞レースでの優勝経験、韓国での活躍、そして地方通算2000勝という偉業達成、そして調教師としての成功。倉兼育康氏は、まさに地方[[競馬]]史に名を刻むレジェンドと言えるでしょう。

主な勝鞍

桂浜月桂冠賞（1997年）
珊瑚冠賞（1997年、2017年、2020年）
銀の鞍賞（1999年）
南国優駿（2000年、2002年、2003年）
荒鷲賞（2000年）
南国王冠・高知市長賞（2004年）
建依別賞（2006年）
高知県知事賞（2006年、2019年、2020年）
農協中央会長杯（韓国）（2007年）
高知優駿（2010年、2011年）
金杯（2010年、2011年）
トレノ賞（2011年、2021年）
土佐秋月賞（2012年、2017年、2022年）
KRAカップクラシック（韓国）（2014年）
若草賞（2017年）
黒潮マイルチャンピオンシップ（2018年、2020年、2021年）
黒潮ジュニアチャンピオンシップ（2018年）
金の鞍賞（2018年、2019年）
だるま夕日賞（2019年、2020年）
黒潮皐月賞（2019年）
福永洋一記念（2019年、2021年）
西日本ダービー（2019年）
黒潮スプリンターズカップ（2020年）
ロータスクラウン賞（2020年）
二十四万石賞（2021年）

主な管理馬

バリチューロ（2024年ゴールド争覇優勝）

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