倉野隆太郎

倉野 隆太郎

倉野 隆太郎（くらの りゅうたろう、1984年5月24日生まれ）は、日本のプロフェッショナル競輪選手です。日本競輪選手会の三重支部に所属しており、現在は松阪競輪場をホームバンクとして活動しています。競輪選手としてのキャリアは、かつて日本競輪学校として知られていた養成機関の第91期生としてスタートしました。

生い立ちと競輪界への道

三重県で生まれた倉野選手は、地元の三重県立明野高等学校に進学し、在学中は野球部に所属していました。卒業後、競輪の熱心なファンであった父親からの勧めがきっかけとなり、プロの競輪選手を目指すことを決意します。競輪学校への入学を目指し、片岡浩也選手（競輪学校49期生）に師事し、その指導のもとで厳しい訓練を積みました。

競輪学校の入学者選抜試験に合格し、訓練課程を修了しましたが、選手登録を行う段階で一つの転機が訪れます。それは、倉野選手の妹である由紀さん（のちの競輪学校104期生）が柔道に打ち込むため、愛知県豊橋市にある桜丘中学校への進学が決まったことです。妹の柔道での活動をサポートするため、倉野選手の一家は揃って豊橋市へ移住することになりました。この一家での移住に伴い、選手登録地を居住地である愛知県とすることになったのです。その後、キャリアを重ねる中で、出身地である三重県へと登録地を変更し、現在の所属に至っています。

プロデビューと初期の活躍

2006年7月6日、倉野選手は富山競輪場で待望のプロデビューを果たしました。そして、そのデビュー戦において見事な走りを披露し、プロ初勝利を挙げました。これは、その後の活躍を予感させる鮮烈なスタートでした。

トラック競技での実績とオリンピックへの挑戦

倉野選手は、競輪のトラックレースにおいてもその実力をいかんなく発揮しました。2007年に宮城県自転車競技場で開催された全日本自転車競技選手権大会のトラック競技部門では、特に目覚ましい成績を残しています。個人追抜競技と団体追抜競技の二種目で優勝を飾り、国内におけるトラック競技のトップ選手としての地位を確固たるものにしました。この全日本選手権での圧倒的なパフォーマンスが高く評価され、倉野選手は2008年の北京オリンピック出場を目指す日本代表候補、いわゆる強化指定選手に選出されました。オリンピックという世界の最高峰の舞台を目指し、トレーニングに励むこととなります。

しかし、オリンピック選考に向けた国際大会で試練を迎えます。同年11月にマレーシアで開催されたACCトラックアジアカップに出場した際、倉野選手は残念ながら期待される結果を残すことができませんでした。この国際大会での成績不振を受け、その後に予定されていた、オリンピック出場選手選考において重要な位置を占めるUCIトラックワールドカップクラシックスへの派遣が見送られることとなりました。この派遣見送りの決定により、北京オリンピック出場という倉野選手の大きな目標は、残念ながらこの時点で叶わなくなってしまいました。

その後も倉野選手は競輪選手としての活動を続け、現在は三重支部所属選手として、ホームバンクである松阪競輪場を中心に全国の競輪場でレースに挑んでいます。キャリアを通じて培った経験と実力を活かし、日々熱戦を繰り広げています。

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