倉阪鬼一郎

倉阪鬼一郎

概要

倉阪鬼一郎（くらさか きいちろう、生年1960年1月28日）は、日本の著名な小説家、評論家、俳人、翻訳家として広く認識されています。三重県の上野市（現在の伊賀市）に生まれ、三重県立上野高等学校を経て、早稲田大学の第一文学部文芸科を卒業しました。さらに日本文学を専攻した大学院にも進学しましたが、最終的には中退しています。また、彼には環境経済学を専門とする弟、倉阪秀史がいます。

彼の名前は時折「倉坂」と誤記されることがありますが、「倉阪」が正しい表記です。

学生時代

大学時代、倉阪は「幻想文学会」という団体に参加し、そこで東雅夫や浅羽通明と出会いました。後に東が創刊した雑誌『幻想文学』には、多くのレビュー寄稿を行っています。また、幻想文学会の中で、「幻想短歌会」を主宰した経験もあります。

職歴

卒業後は大学の事務員として働きましたが、フリーライターを目指して職を辞します。しかし、あまりの収入の少なさに印刷会社に転職し、11年の間、文字校正の業務をこなしました。この職場では、彼は優れた校正者でしたが、社内では孤立してしまい、コミュニケーションや必要のない集団活動には参加しない姿勢を取っていました。こうした経験は、後に『活字狂想曲』という形で作品に反映されています。彼の職場環境や内面的な葛藤を、自己批判も交えながら描写しています。

作家としてのキャリア

1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』を発表することによって、作家としてデビューしました。その後、短編「赤い羽根の秘密」で日本ホラー小説大賞の最終候補に選出されるなど、早くから名を馳せます。続いて第二短編集『怪奇十三夜』を発表し、1997年には『百鬼譚の夜』で再デビュー。その作品を通じて、彼は自ら「日本唯一の怪奇小説家」を名乗っていました。その後の作品では、モダンホラーや本格ミステリ、さらには奇抜な趣向を凝らしたバカミステリーに至るまで、作風の幅を広げていきました。現在の自称は「特殊小説家」であり、海外の怪奇小説の翻訳も手掛けています。

近年では時代小説の分野にも進出し、文庫の書き下ろし時代小説作家の一人としても知られています。

人柄・趣味

倉阪は昭和レトロ歌謡に情熱を注いでおり、時折仲間たちとのカラオケで懐かしい曲を歌うことが楽しみの一つです。また、彼は作曲も行い、将棋や囲碁にも親しんでいます。これらの活動には有段の腕前を持つこともあり、特にトライアスロンやマラソンにも取り組んでいる点がユニークです。

彼の愛猫のぬいぐるみ「ミーコ姫」は長らくの相棒であり続けましたが、2006年にはミステリマニアの女性と結婚し、茅ヶ崎へと転居しました。結婚当初のウェブ日記には、過去の孤独な生活に別れを告げて新たな生活に向かう気持ちが記されていました。独身時代には食に対して非常に偏食でありましたが、結婚を機に食生活も改善しているそうです。

2007年には長女も誕生し、家庭生活への新たな道を歩んでいます。

所属団体

現代俳句協会や日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、日本SF作家クラブ、日本歴史時代作家協会など、数多くの著名な作家団体に名前を連ねる作家として知られています。

まとめ

倉阪鬼一郎は多岐にわたる創作活動を通じて、日本文学に多大な影響を与え続けている作家です。彼の独自の視点や様々なジャンルでの作品の数々は、多くの読者に支持されています。

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