倭・倭人関連の朝鮮文献

倭・倭人関連の朝鮮文献

倭・倭人に関する朝鮮半島の歴史書には、古代の交流や対立を示す多くの記録があります。これらの文献は、倭や倭人が朝鮮半島の歴史に果たした役割を理解する上で不可欠です。

好太王碑文

好太王碑文は、414年に建立され、重要な歴史的資料とされています。この碑文には、391年に倭が新羅と百済を征服し、そこに倭の勢力が及んだことが記されています。具体的には、新羅が朝貢し、倭が百済や新羅を破ったという出来事が詳細に述べられています。その後、399年には百済と倭の和通が報告され、新羅が倭に救援を求め、400年に高句麗が大軍を派遣して新羅の防衛を行ったことも記されています。これらの記録は、倭と新羅、高句麗との複雑な関係を示しています。

三国史記

高句麗本紀

130年代に、太祖大王の弟が倭山で田猟を行った記録がありますが、倭人とは無関係とされています。135年以降の記載はあまりありません。

百済本紀

百済の阿莘王は397年に倭国と友好関係を結び、太子を人質として送ったことが述べられています。402年には倭からの使者が訪れ、阿莘王は特別に厚遇しました。405年には阿莘王が亡くなり、後の王権や倭人との関係が波乱に満ちる様子も描かれています。403年に倭が明活城を攻撃した記録なども関連しています。

新羅本紀

新羅の歴史書には、まず紀元前50年に倭人が侵入しようとしたが、始祖の神徳を聞いて帰ったという話があります。他にも、紀元前20年には外交関係を結ぶために倭人と交渉を行ったことが記されています。

その後、新羅と倭の関係は数世代にわたり続き、戦闘や外交の記録が残されています。特に、倭人の侵攻や新羅の防衛に関する詳細は、両国の変遷を知る上で貴重です。

倭と高麗の関係

高麗の歴史書でも倭人との関係が触れられています。663年の百済救援における倭人の艦隊の活躍や、670年に倭国が「日本」と名乗るようになったことは、両国間の関係性が変わっていく過程を示しています。また、701年以降の朝鮮王朝実録においても、倭国に関する記載が増加していくことが観察されています。

総括

これらの文献は、倭・倭人が朝鮮半島に及ぼした影響を理解するための重要な証拠です。倭の存在は、古代の朝鮮半島における社会的・政治的なダイナミズムを形成し、両国の歴史に大きな影響を与えました。これらの資料を通じて、当時の交流や対立の実情、両民族の相互関係をより深く理解することが可能となります。

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