假

假（け/か）について

「假」とは、古代日本の律令制における貴族や官人の休日を意味します。休日の制度は中国に起源を持ち、日本でも取り入れられましたが、独自の発展を遂げました。中国の歴史では、漢から南北朝時代には「休沐（きゅうもく）」と呼ばれる5日に1日の休日が、また唐の時代には10日に1日の休みが設けられていました。一方、日本の律令制における休日はもう少し多く、独自の形態を持っていました。

日本の假の種類

日本での假には、主に基本的な休日と特殊な休日の2つのカテゴリーが存在します。

基本的な休日

常假

常假は、6日に1度与えられる定休日を指し、毎月の6日、12日、18日、24日および晦日が該当します。この日は原則として官司は閉庁されます。とはいえ、宿直担当者が交代で勤務し、業務を継続するための体制が整えられています。しかし、宿直担当者に対する代休は設けられていません。また、常假が与えられない職務も存在し、そのような役職には別の休日の形が用意されています。

別假

別假は、常時勤務が求められる中務省や宮内省の供奉担当官司および五衛府の職員に対して適用されます。この職務の担当者は、事前に申請することで毎月5日間までの休暇を取ることが認められています。

特殊な休日

田假

田假は、主に農作業に従事する京官のみに与えられる休暇で、春に行われる種蒔きや田植え、秋の収穫時に月に2回、各15日ずつが与えられます。唐制では、秋の田假は冬服の準備として「授衣假」として認められていたため、日本の制度では春に重点が置かれています。

定省假

定省假は、畿内の外に住む者が3年に1度、故郷に帰省するために30日間の休暇が与えられるものです。

淋假

淋假は、後宮の女官に与えられる生理休暇で、月に3日間を取ることが認められています。

その他の休暇

その他にも、親の死亡に伴う喪假や、私用理由による私假が存在し、必要に応じて与えられることがありました。特に喪假は、厳格に定められた期間が設けられ、故人に対する敬意を表す重要な休暇とされていました。

まとめ

このように、假は古代日本における重要な制度であり、官人や貴族の休日は、時代背景や社会構造と密接に関わっています。また、朝廷は必要に応じて假を取り消す権限を持っており、緊急時には柔軟に対応できる体制も整えられていました。これらの制度は、日本の歴史において官人の生活や働き方に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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