停電 (地獄の再会) 〜 Kiss アンプラグド

『キッス・アンプラグド』は、1996年にMTVの人気番組『MTVアンプラグド』に出演したキッスのライブ演奏を収録したアルバムです。このアルバムは、単なるライブ盤というだけでなく、キッスの歴史における重要な転換点となりました。

当時のメンバーは、ポール・スタンレー（ギター、ボーカル）、ジーン・シモンズ（ベース、ボーカル）、ブルース・キューリック（ギター）、エリック・シンガー（ドラムス、ボーカル）でした。さらに、オリジナル・メンバーであるピーター・クリス（ドラムス、ボーカル）とエース・フレーリー（ギター、ボーカル）がゲストとして参加し、4曲を演奏しました。彼らの参加は、往年のファンにとって大きな喜びであり、再結成への期待を高めるものでした。

アルバムには、キッスの代表的な楽曲がアコースティック・アレンジで収録されています。「カミン・ホーム」「ゴーイン・ブラインド」「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」といった往年のヒット曲に加え、ジーン・シモンズのソロ・アルバムからの楽曲「シー・ユー・トゥナイト」、ローリング・ストーンズのカバー「トゥサウザンズ・マン」なども収録されています。「トゥサウザンズ・マン」は、キッスが1979年のアルバム『地獄からの脱出』でもカバーした楽曲で、クリスとフレーリーが在籍していた時期のレパートリーです。

特に注目すべきは、ピーター・クリスとエース・フレーリーが参加した「トゥサウザンズ・マン」「ベス」「ナッシン・トゥ・ルーズ」「ロックンロール・オールナイト」です。これらの曲では、往年のメンバーが再び集結し、息の合った演奏を披露しています。彼らのパフォーマンスは、長年のファンにとって感涙ものであり、キッスの歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

『キッス・アンプラグド』は、単なるアコースティック・ライブ盤という枠を超え、キッスの歴史における重要なターニングポイントとなりました。このコンサートをきっかけに、オリジナル・メンバーによる再結成が企画され、ブルース・キューリックとエリック・シンガーは同年12月に脱退しました。その後、キッスはオリジナル・メンバーで再結成し、世界的なツアーを成功させました。

このアルバムは、キッスのファンだけでなく、ロック音楽ファンにとっても必聴の作品です。アコースティック・アレンジによって、キッスの楽曲の新たな魅力が引き出されており、彼らの音楽性の幅広さを改めて感じることができます。また、オリジナル・メンバーの再結成という歴史的な出来事のきっかけとなった作品として、音楽史においても重要な意味を持っています。

日本盤には「ゴット・トゥ・チューズ」が追加収録されています。

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