傅彤

傅彤（ふ とう）について

概要

傅彤（ふ とう）、または傅 肜（ふ ゆう）は、中国三国時代の蜀漢における著名な武将で、彼の本貫は荊州義陽郡に存在しました。彼はその忠義と勇敢さによって知られ、歴史上の重要な人物として評価されています。

生涯の足跡

傅彤は、章武元年から2年（221年-222年）の間に行われた夷陵の戦いにおいて、別督に任じられ正義の戦いを繰り広げました。この戦争では、蜀の軍が呉の将軍である陸遜の巧妙な火計によって大敗を喫した際、傅彤は劉備を守るための殿軍を務めました。彼の指揮のもと、彼自身の部隊は戦況が厳しくなる中で死傷者が続出しました。

特に彼の名言、「呉の狗め！漢の将軍に降る者がいるか！」という言葉は、彼の誇り高い精神を象徴しており、降伏を拒否した果てに戦死することとなりました。この瞬間は、彼の忠義と武士としての誇りを如実に表しています。

また、傅彤の子である傅僉（ふ せん）も父の忠義を受け継ぎ、蜀漢の滅亡に自らを犠牲にする道を選びました。こうした歴史的なエピソードは、後世においても称賛され、彼ら父子の忠誠心が多くの人々に感銘を与えました。

後年、西晋の武帝である司馬炎は傅彤と傅僉の忠義を称える詔を発し、彼らの英勇と忠義を歴史に刻んでいます。

三国志演義における描写

羅貫中の小説『三国志演義』の中で、傅彤は第81回からその名が登場し、夷陵の戦いにおいて中軍護尉として活躍します。第84回では、呉の淳于丹からの攻撃を受ける場面が描かれており、彼は手ずから槍を持って敵を撃退する様子が描かれています。その後、史実と同様に、劉備を逃がすために殿軍を務め、降伏勧告を拒否して戦死します。

作中の詩の中で彼の忠義は「傅彤不愧漢将軍（傅彤は漢の将軍に恥じず）」と讃えられ、その業績は後世に語り継がれています。このように、傅彤は単なる武将としての役割を超え、忠義の象徴として歴史に名を残しています。

まとめ

傅彤は蜀漢の歴史において、戦うことの意義や忠義の大切さを教えてくれる人物です。彼の生涯とその死は、武士道や忠義の理想を体現しており、今なお多くの人々に尊敬され、語り継がれています。彼の故事は歴史を越え、人々に勇気を与えているのです。

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