備中松山城

備中松山城の魅力と歴史

備中松山城（びっちゅうまつやまじょう）は岡山県高梁市に所在し、国名を冠した日本の城として知られています。別名は高梁城とも称され、複数の同名の城との混同を避けるためにこの名称が使われています。この城は日本100名城の一つであり、現存する12の天守の中でも唯一の山城として評価されています。

概要

備中松山城は、標高487mの臥牛山の山頂に位置し、南稜線には数多くの遺構が残存しています。城の本丸は小松山の頂上にあり、下方には二の丸や三の丸といった曲線に配された構成が特徴です。登頂するには、城下町からおおよそ1,500mの距離を進むこととなり、所要時間は約1時間です。戦略的に構築されたこの城は「詰の城」としての用途があり、普段は使用されることが少なかったと考えられています。

江戸時代、備中松山藩は山の麓に御根小屋と名づけられた藩主や武士たちの住居を構え、そこで政務を行いました。この跡地は現在、岡山県立高梁高等学校として利用されています。備中の地域は小藩が多数存在しており、備中松山藩の石高は約6万石に過ぎません。現在、城跡には国の史跡指定がなされ、重要文化財に指定された天守や土塀、二重櫓が存在しています。

歴史

鎌倉時代から安土桃山時代

城は仁治元年（1240年）に秋庭三郎重信によって築かれ、時代を経て高橋宗康の手によって拡張されました。戦国時代に入ると、三村元親の統治下で防御の要塞として重要視され、激しい戦闘も起こり、何度も占拠と取り戻しが行われました。江戸時代に入ると、城主は代々変遷し、その後も多数の城主により運営されていきました。

江戸時代

慶長5年の関ヶ原の戦い以降、城は次第に安定し、藩主は入れ替わりながらも修築が続けられました。水谷勝宗が天守の大修復を行い、現在の城の姿へと近づきましたが、直後に水谷家は断絶しその後の城主は流浪し続けました。明治時代に入ると、城は廃城とされ、御根小屋は取り壊される運命にありました。

近現代

明治6年に廃城令が出され、城の守りは失われていきましたが、昭和初期になると高梁中学校の教諭による調査が行われ、その後の復旧の契機となりました。その後は地元の協力を得て、数回にわたる修築が行われてきました。現在、備中松山城は日本の重要な文化財としてその姿を保っています。

特徴とアクセス

松山城の天守は約11mと小ぶりですが、その美しさと独特な構造により多くの観光客を引き寄せています。特に「雲海」の発生する時期には幻想的な光景が展望台から目にすることができます。この雲海は9月下旬から4月上旬の早朝に見られることが多く、特に10月から12月にかけてはその可能性が高まります。

アクセスは、城下町からのシャトルバスが運行されており、登山口までも容易に移動できます。自家用車の場合は、岡山自動車道の賀陽ICから車で30分の距離に位置しています。また、観光乗合タクシーや路線バスも利用可能です。

まとめ

備中松山城はその歴史の深さ、文化的な価値、そして美しい雲海の光景により、多くの人々に愛され続けているスポットです。訪れる際には、天守を通じて歴史を感じ、周囲の自然の中で静かなひとときを過ごすことができるでしょう。

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