備後落合駅

備後落合駅：秘境に佇む鉄道の要衝

備後落合駅は、広島県庄原市に位置するJR西日本の駅です。芸備線と木次線が接続する駅として、かつては鉄道の要衝として賑わいました。しかし、時代の流れとともに利用者は減少し、現在はひっそりとした佇まいを見せています。

かつての賑わい

1935年に開業した備後落合駅は、1937年に木次線が乗り入れたことで、備北地区の基幹駅としての地位を確立しました。機関区や宿泊所などが設けられ、200人を超える職員が勤務。駅前には旅館や飲食店が軒を連ね、「落合銀座」と呼ばれるほどの賑わいを見せていました。

急行「ちどり」などの優等列車も停車し、機関車の付け替えや分割併合が行われるなど、鉄道輸送の重要な拠点でした。

時代の変遷と現状

蒸気機関車から気動車への置き換えや過疎化、道路網の発達などにより、備後落合駅の賑わいは徐々に失われていきました。1997年には無人駅となり、駅前の店舗もほとんどが廃業。

しかし、近年、備後落合駅は「秘境駅」として鉄道ファンの間で注目を集めるようになりました。ターミナル駅としての遺構が残る風景や、周辺の自然が魅力となり、多くの人々が訪れるようになっています。

地元の鉄道ファンや観光協会の活動も活発で、駅構内や周辺の清掃が行われ、観光客を迎える体制が整えられています。待合室には蒸気機関車やディーゼルカーの写真が展示され、鉄道ファンにはたまらない空間となっています。

現在の駅の様子

木次線と芸備線の乗り換え駅ですが、列車の本数は少なく、接続もあまり考慮されていません。しかし、2020年代には平日でも多くの観光客が訪れるようになり、再び賑わいを取り戻しつつあります。

駅構内には、かつて機関車庫や転車台、給水塔などがありましたが、現在は貯炭場と転車台のみが残されています。駅舎は木次線ホーム側にあり、芸備線ホームへは構内踏切で連絡しています。

豪雨・豪雪の影響

備後落合駅を含む区間は、豪雨や豪雪により不通となることがしばしばあります。特に豪雪時には、春まで除雪されないことが多く、バス代行となる場合があります。

駅周辺

駅周辺は山間部に位置し、国道183号線とは小鳥原川で隔てられています。かつては旅館や商店がありましたが、現在は空き家が目立ちます。

駅の近くには、ドライブインがあり、かつて駅の名物だった「おでんうどん」を提供しています。

備後落合駅へのアクセス

備後落合駅へは、芸備線または木次線を利用してアクセスできます。列車の本数は少ないため、事前に時刻表を確認しておくことをおすすめします。

また、自家用車やバイクでの訪問も可能です。駅周辺には駐車場があります。

まとめ

備後落合駅は、かつての鉄道の要衝としての面影を残しつつ、秘境駅としての魅力を放つ駅です。鉄道ファンはもちろん、自然や歴史に興味のある方にもおすすめのスポットです。

ぜひ一度、備後落合駅を訪れて、その独特の雰囲気を味わってみてください。

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