僕はここにいる (山崎まさよしの曲)

僕はここにいる

山崎まさよしの通算8枚目となるシングル作品。1998年11月11日にポリドール・レコードよりリリースされた。正式名称は『僕はここにいる』（ぼくはここにいる）。

この楽曲は、リリース当時放送されていた日本テレビ系の連続ドラマ『奇跡の人』（1998年10月12日から12月14日まで放送）の主題歌として書き下ろされたものである。このドラマで山崎まさよし自身が俳優として初めて主演を務めたこともあり、楽曲は広く知られることとなった。結果として、『僕はここにいる』は彼のキャリアにおけるシングル作品の中で、最も高い売上を記録する大ヒットとなった。

楽曲の成功を受け、同年にリリースされた3枚目のオリジナルアルバム『ドミノ』（1998年12月23日発売）には、アルバム用にミックスが施されたバージョンが収録されている。また、この楽曲はライブでの演奏頻度も高く、様々な形式で収録されたライブ音源が数多く存在することも特徴である。例えば、9枚目のシングル『Passage』（1999年10月14日発売）の12センチ盤にはライブバージョンが収められているほか、他のライブアルバムや映像作品にも異なるバージョンの音源が確認できる。

シングルのカップリング曲もまた、その個性が光る楽曲群である。特に2曲目に収録された「お家へ帰ろう」は、ハウス食品のシチュー製品コマーシャルソングとして使用され、親しみやすいメロディと歌詞で人気を集めた。歌詞の中には「シチューを食べよう」というフレーズがそのまま登場し、コミカルで温かい世界観を表現している。この曲における山崎の歌唱は、「僕はここにいる」とはまた異なる、非常に個性的な表現がなされており、その独特の歌い方がしばしばモノマネの対象となった。特に有名なエピソードとしては、歌手の宇多田ヒカルがTBS系の音楽番組『うたばん』に出演した際、山崎本人の前でこの「お家へ帰ろう」を歌い、モノマネを披露したことが挙げられる。もう1曲のカップリングとして、インストゥルメンタル楽曲「mud skiffle track V」も収録されている。

『僕はここにいる』のオリジナルシングル盤は、現在新たに生産されておらず、市場での入手が困難な状況にある。これは、2005年9月21日にリリースされたB Side&レアトラック集『OUT OF THE BLUE』に、カップリング曲の「お家へ帰ろう」が収録されたのに対し、表題曲である「僕はここにいる」が収録されなかったためである。しかし、後にマキシシングルとして再発売されている。2000年5月31日には、従来の8センチCDではなくマキシシングル（12センチCD）形式で再リリースが行われた。この再発盤の歌詞カードには、「お家へ帰ろう」の曲名が「おうちへ帰ろう」と誤って印刷されているというユニークなミスプリントも存在する。

CDジャケット写真もファンから支持を集めており、ファンクラブ会報誌での「好きなジャケット写真〜シングル部門」企画では3位を獲得している。また、この楽曲は他のアーティストにもカバーされており、例えば女性ボーカルの伴都美子（Do As Infinity）が2008年にリリースしたカバーアルバム『VOICE 2〜cover lovers rock〜』の中で、この「僕はここにいる」を取り上げている。

楽曲の制作クレジットは、「僕はここにいる」および「お家へ帰ろう」の作詞・作曲は山崎将義自身が手掛けている。「僕はここにいる」の編曲は山崎将義と中村キタローが共同で担当し、ストリングス・アレンジは中村キタローと森英治が手掛けた。

収録曲

1. 僕はここにいる （4:20）
日本テレビ系ドラマ『奇跡の人』主題歌
作詞・作曲：山崎将義
編曲：山崎将義・中村キタロー
ストリングス・アレンジ：中村キタロー、森英治

2. mud skiffle track V （1:11）

3. お家へ帰ろう （2:51）
ハウス食品「ハウスシチュー」コマーシャルソング
作詞・作曲：山崎将義

4. 僕はここにいる（Backing Track）

楽曲の収録作品（代表例）

僕はここにいる
Single Version：『BLUE PERIOD』
Album Mix：『ドミノ』
Live Version：
『Passage』（12センチ盤にのみ収録）
『ONE KNIGHT STANDS』
『Transit Time』
『WITH STRINGS』

mud skiffle track V
『OUT OF THE BLUE』

お家へ帰ろう
Single Version：『OUT OF THE BLUE』
* Live Version：『ONE KNIGHT STANDS』（初回限定盤Disc 3に収録）

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