元宇品口停留場

元宇品口停留場について

元宇品口停留場（もとうじなぐちていりゅうじょう）は、広島市南区宇品海岸二丁目にある広島電鉄の宇品線の駅で、駅番号はU17です。この停留場は、広島の交通の一部であり、地域の発展と共に歴史を刻んできました。

歴史

元宇品口停留場の起源は1915年（大正4年）にさかのぼります。この年、宇品線が御幸橋の東詰から宇品まで開通した際に、最初に設置された停留場が向宇品口停留場（むこううじなぐちていりゅうじょう）でした。当時の軌道は、御幸橋から宇品地区の西堤防沿いに南下し、その後東に折れて海岸通りへ進むものでした。終点は宇品停留場で、現在の海岸通停留場付近にありました。初めの頃は、単線のため向宇品口停留場では列車の交換ができる設備が整えられていました。

1929年（昭和4年）に向宇品口停留場が移設され、二丁目裏停留場（にちょうめうらていりゅうじょう）と改称されました。しかし、1935年（昭和10年）には軌道が新線に切り替えられたため、二丁目裏停留場は廃止されました。同日、新しい線路上に新たに開設されたのが、向宇品停留場でした。新線は宇品通りを南下し、桟橋前から海岸通りを西進する経路となり、この結果、当停留場が路線の終点となりました。

1945年（昭和20年）8月6日に広島に原爆が投下され、宇品線を含む広島電鉄の市内電車は全線運行停止となりましたが、宇品線の一部である当停留場から電鉄前までの区間は同月18日には運行が再開されたのです。その後、数年間は宇品線の終点であったものの、1951年（昭和26年）には広島県営桟橋に向けて路線が延長され、新たに宇品終点が開業しました。それに伴い、元宇品口停留場は宇品線内の一停留場となり、その後「向宇品口停留場」と改名されました。そして、2001年（平成13年）に現在の名称「元宇品口停留場」に変更されました。

年表

- 1915年：宇品線が御幸橋から宇品間に向宇品口停留場を開業。
- 1929年：停留場が移設され、二丁目裏停留場と改称。
- 1935年：新線への切り替えにより、向宇品停留場が新たに開設。二丁目裏停留場は廃止。
- 1945年：原爆投下により運行停止。
- 1945年 8月18日：復旧運行が開始。
- 1951年：宇品終点まで路線が延長。
- 1969年：向宇品口停留場に改名。
- 2001年：元宇品口停留場に改名。
- 2023年：G7広島サミットによる交通規制。

停留場の構造

元宇品口停留場は、宇品線の大部分が道路上に設置された併用軌道である一方、宇品地区では独立した専用軌道が存在します。そのため、当停留場は併用軌道と専用軌道の境に位置しています。ホームは低床式で、東西に延びる2本の路線を挟む形で2面に設けられていますが、両ホームは交差点を挟んで斜め向かいにあります。ホームには屋根やベンチがあり、3両編成・5両編成の車両に対応しています。

運行系統

元宇品口停留場には、広島電鉄の1号線、5号線、7号線、0号線が運行しています。

周辺情報

停留場の北側は住宅街が広がり、南側には元宇品（宇品島）への入口があります。この島は暁橋で接続し、その内部には元宇品公園があります。また、軌道の北側には広島南道路と広島高速3号線が並走しており、交通の要所となっています。停留場の近くには、広島港公園や瀬戸内海汽船株式会社、広島海上ビル、広島市営桟橋などがあります。

隣接する停留場

- 海岸通停留場 (U16) - 元宇品口停留場 (U17) - 広島港（宇品）停留場 (U18)

このように、元宇品口停留場は地域の交通に重要な役割を果たしながら、数多くの歴史的出来事を見守ってきました。この停留場を通じて、広島の町、そして宇品地区の魅力を感じることができるでしょう。

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