元羅

元羅の生涯と政歴

元羅（げんら）は、北魏および西魏の皇族であり、字は仲綱、小字は羅刹と呼ばれていました。彼は江陽王元継の子として誕生し、彼の一生は多様な政治的役割と権力の変遷に彩られています。

彼の活動は最初、司空参軍事として始まり、そこから司徒主簿に転任し、さらには嘗食典御、散騎侍郎、散騎常侍などのさまざまな職に就きます。その後、彼は平東将軍および青州刺史として青州で任務に従事しました。彼は兄の元叉が北魏で権勢を振るうことによって、その影響を受け、当時の有力な名士たちを招待して青州に引き寄せるなどしていました。

時代背景としては、南朝梁が北伐を進めていた時期があり、元羅は撫軍将軍を代行し、都督青光南青三州諸軍事の任にあたりました。この任期を経て、彼は入朝し宗正卿に就任しました。

しかし、元叉が誅殺された後、彼の行動には疑問が持たれました。元羅は元叉の未亡人である胡玄輝に近づき、姦通したといううわさが立ちました。その動機としては、彼女に助命を依頼するためだったという説もあります。

528年、元羅は尚書右僕射、さらには東道大使に任じられます。531年には儀同三司・尚書令という重要な地位に上り、まもなく使持節・驃騎大将軍・開府儀同三司の職務を担った後、梁州刺史として出向します。

彼の政治的キャリアには数々の戦いが伴い、535年11月には梁の北梁州刺史である蘭欽の攻撃を受け、降伏するという屈辱も味わいました。その後、大同2年には征北大将軍として青冀二州の刺史に任ぜられるなど、さまざまな地位を歴任しました。540年には右光禄大夫に任命され、548年には鎮右将軍を加えられるなど、着実に昇進していきます。

549年6月、彼は侯景によって西秦王に封じられ、その後同年11月には侯景の下で儀同三司の位を受け、551年1月には太傅に上りました。しかし、侯景が滅びた後、彼は西魏の宇文泰のもとで関中に移り、開府儀同三司・侍中・少師といった地位を持つに至ります。

北周が建国された際、彼は固道郡公に改封され、558年には韓国公に封じられました。元羅の生涯は、権力の波乱を経て、568年9月9日に生涯を閉じました。彼の生涯は、戦乱の時代における皇族の運命を物語るものです。

脚注

• - 伝記資料としては『魏書』巻16 列伝第4、また『北史』巻16 列伝第4が挙げられます。

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