先史時代 (台湾)

台湾：先史時代から17世紀初頭までの歴史

先史時代の台湾

台湾の古くからの歴史は、旧石器時代から始まります。長浜文化に代表される旧石器時代の遺跡からは、当時の人々の生活様式が垣間見えます。長浜文化は、台湾南部や東部を中心に分布しており、後の新石器時代の文化基盤となったと考えられています。

新石器時代になると、台湾全土に大坌坑文化が広まりました。この文化は、中国大陸の河姆渡文化との関連性が指摘されており、台湾と大陸との交流を示唆しています。大坌坑文化に続く牛罵頭文化、牛稠子文化など、多様な文化が花開いた時代でもありました。また、この時代には、円山文化が台湾に伝えられたと考えられています。

これらの先史時代の文化を担っていた人々が、現代の台湾原住民の祖先であるかどうかについては、言語資料の不足から断定できません。わずかに、十三行文化後期とケタガラン族との関連性が指摘されているのみです。オーストロネシア語族の起源が台湾であることはほぼ確実視されていますが、現代の台湾原住民が新石器時代から継続して台湾に住み続けていたのか、それともその後再び台湾に戻ってきたのかは、いまだに解明されていません。

中国やヨーロッパ勢力との接触以前

台湾は、古くから中国人にその存在が知られており、隋代の文献にも探検記録が残っています。しかし、漢民族が大量に移住するのは17世紀以降であり、それ以前は、フィリピンやインドネシア方面からの移住者、あるいは台湾原住民が、複数の部族に分かれて独自の文化を築いていました。

中国において、台湾の領有を明確に確認できるのは、元朝が澎湖諸島を領有した13世紀後半以降です。しかし、元朝、明朝ともに台湾島全土を支配したわけではありませんでした。そのため、台湾島は、航海の際の寄港地や海賊の拠点として利用される程度でした。

倭寇とヨーロッパ列強の進出

16世紀以降、明朝時代に入ると、倭寇の活動が活発化し、台湾は倭寇の拠点の一つとなりました。林道乾や林鳳などの倭寇の頭領が勢力を伸ばし、やがて漢民族や日本人が定住するようになりました。

大航海時代には、ヨーロッパ列強も台湾に注目するようになりました。ポルトガル船が最初に台湾に到達し、「Ilha Formosa（麗しの島）」と名付けたことが、台湾の別名「フォルモサ」の由来です。オランダやスペインは、台湾の戦略的重要性を認識し、東アジアにおける貿易や防衛の拠点として、台湾を支配下に置こうとしました。日本への鉄砲伝来やキリスト教伝来も、台湾を経由した可能性が考えられています。

17世紀初頭にはオランダ東インド会社が台湾南部に進出し、台湾の歴史は新たな局面を迎えます。先史時代から続く台湾の歴史は、その後も、中国、日本、そして世界各国の影響を受けながら、複雑に、そしてダイナミックに展開していくことになります。

関連項目

大肚王国、村山等安の台湾出兵は、この後の台湾の歴史を理解する上で重要なキーワードです。

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