光岡・ビュート

光岡自動車 ビュート：クラシックカーを彷彿とさせる個性的なデザインと進化の歴史

光岡自動車のビュートは、既存車種をベースに、クラシカルなイギリス車、特にジャガーMK2を彷彿とさせるデザインに改造された乗用車です。長きに渡り、数々のモデルチェンジや限定車を発表し、独特の個性を放つ一台として人気を博しています。その歴史と魅力を詳しく見ていきましょう。

ビュートの系譜：日産マーチからトヨタヤリスへ

初代から3代目までは日産マーチをベース車両としていましたが、4代目からはトヨタヤリスへとバトンタッチ。どの世代も、ベース車両を徹底的に解体し、熟練の職人が手作業で一つ一つ丁寧にカスタマイズすることで、他にはない独特の風格を実現しています。特に、現行モデルである4代目ビュート ストーリーは、ヤリスの完成車両を工場から輸送した後、内外装を分解し、熟練の技術によって作り上げられています。

各世代の特徴

初代ビュート(1993年-2002年): 2代目日産マーチをベースに、1000ccと1300ccのエンジンが設定されました。4ドア/2ドアセダン、3ドア/5ドアハッチバック、そして2ドアコンバーチブルと、多彩なボディタイプが魅力でした。内装には木目パネルや革張りシートといったオプションも用意され、当時のユーザーの好みに合わせてカスタマイズが楽しめました。FRPボディのモデルでは、延長部分の重量制限に注意が必要でした。

2代目ビュート(2005年-2010年): 3代目日産マーチの5ドアハッチバックをベースに、ボディタイプは4ドアセダンに統一されました。初代と比較して、ルーフパネルの独自製作やテールランプの変更など、細部までこだわりが感じられるデザインに進化しています。ボディカラーは30種類以上から選択可能で、内装はシンプルながらも本革パッケージなどのオプションが用意されていました。保安基準の変更により生産が一時停止したものの、その後改良を加えて販売が再開されました。

3代目ビュート(2012年-2023年): ベース車両は再び日産マーチ（K13型）となり、ボディタイプはセダンとハッチバック（なでしこ）の2種類が展開されました。エクストロニックCVTと組み合わせたHR12DEエンジンを搭載し、FFと4WDが選択可能でした。安全性能の向上に加え、ウッドタイプインパネや本革シートといった豊富なオプションにより、個性を演出できるようになりました。この世代では、数多くの限定車も発売されました。「オッターヴァ」や「20th Anniversary」、「SAKURA」など、それぞれに個性的なデザインと装備が施され、コレクターアイテムとしても人気を博しています。

4代目ビュート ストーリー(2023年-): マーチの後継車種が国内販売を終えたことに伴い、ベース車両はトヨタヤリスに変更されました。そして、この世代からノッチバックセダンは廃止され、ハッチバックモデルの「ビュート ストーリー」に統一されました。デザインはより現代的な要素を取り入れつつも、ビュートらしいクラシカルな雰囲気は健在です。先進安全技術も搭載され、現代のニーズにも対応しています。

ビュートのネーミング

「ビュート」という名前は「美しく・遊ぶ・人」を組み合わせた造語であり、英単語の「view」 (風景) からも連想されています。「なでしこ」は、日本女性の美称である「大和撫子」に由来しています。「ストーリー」は英語で物語を意味し、ビュートの歴史と未来への想いが込められています。

まとめ

光岡自動車ビュートは、長年にわたる歴史の中で、時代の変化に合わせて進化を遂げながら、その個性的なデザインとクラシカルな雰囲気を守り続けてきました。手作りによる高い品質と、様々な限定車による希少性も魅力の一つです。これからも、光岡自動車の技術と情熱によって、さらに進化していくビュートの姿に期待しましょう。

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