光岡・ユーガ

光岡 ユーガ：個性と希少性を兼ね備えたトールワゴン

光岡 ユーガは、光岡自動車によって2000年3月から2001年10月まで製造・販売されていたトールワゴンタイプの乗用車です。その最大の特徴は、日産キューブ（Z10型）をベースにしながら、クラシカルなロンドンタクシーを思わせるレトロで個性的なデザインを採用している点にあります。

デザインと生産

フロントマスクを中心に大胆なデザイン変更が施され、メッキパーツをふんだんに使用することで、ノスタルジックで高級感あふれる雰囲気を醸し出しています。ベースとなったキューブとは一線を画す、光岡自動車らしい独自の個性が光る一台と言えるでしょう。生産期間は約1年半と短く、製造台数は約200台と非常に限られています。この希少性も、ユーガの人気を高める大きな要因となっています。

インテリアとメカニズム

インテリアは基本的にはキューブを踏襲していますが、ウッドパネルやウッドステアリング、本革調シートといった上質なオプションが用意され、より高級感のある空間に仕上がっています。エンジンはキューブと同じ1.3L直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、駆動方式はFFと4WDが選択可能でした。トランスミッションは、FFモデルが4速AT、4WDモデルがCVTとなっています。サスペンションは、フロントがストラット式であるのに対し、リアはFFが5リンク式、4WDがパラレルリンク式と駆動方式によって異なっています。グレードは「デラックス」と上位モデルの「ロイヤル」の2種類があり、上位モデルにはパワーウィンドウや集中ドアロックなどの便利な装備が標準で備わっていました。新車時の価格は、デラックスが189万3000円～232万6000円、ロイヤルが200万3000円～242万6000円と、当時としては高価格帯に設定されていました。

中古車市場と希少性

現在、ユーガは中古車市場において非常に希少な車種として認識されています。しかし、中古車市場に出回っているユーガの中には、日産キューブの中古車をベースにユーガ風にカスタムされた「メイクアップ・ユーガ」と呼ばれる車両も多く存在します。そのため、光岡自動車が実際に製造した本物のユーガは、さらに希少価値が高く、コレクターにも人気となっています。なお、光岡自動車製造の純正ユーガかどうかは、車台番号を確認することで判別できます。

生産終了とその後

ベース車である日産キューブのフルモデルチェンジに伴い、2001年10月にユーガの生産は終了しました。短い販売期間と限られた生産台数、そして独特のデザインと希少性から、ユーガは現在、多くの自動車愛好家から注目を集める一台となっています。その個性的なスタイルと希少性は、これからも多くの人の心を捉え続けることでしょう。 光岡自動車の他のモデルと比較しても、ユーガは特に希少価値が高く、中古車市場でも高い価格で取引されています。その希少性と独特のレトロなデザインから、今後ますますコレクターズアイテムとしての価値が高まっていく可能性も十分に考えられます。

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