光式2.2型

光式2.2型グライダーについて

光式2.2型は、日本の福田軽飛行機が開発したセカンダリー（中級）グライダーです。機体名は「光式2.2型」または「光式2・2型」と表記されます。1940年（昭和15年）に葉啓聴技師によって設計され、1942年（昭和17年）10月頃に実機が完成しました。このグライダーは、その優れた性能から多数が生産され、航空局航空機乗員養成所、大日本飛行協会、日本大学、金沢高等工業学校など、多くの教育機関で滑空訓練に使用されました。

戦時中の活躍

1943年（昭和18年）12月には、文部省が学校による購入費用の半額を補助する制度を開始し、普及を後押ししました。また、日本海軍では練習用滑空機「若草」と共に、土浦海軍航空隊などで練習機として採用され、日本陸軍でも運用された記録があります。光式2.2型は、戦時中の日本の航空機訓練において重要な役割を果たしました。

戦後の再興と発展

太平洋戦争終戦後、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）による航空禁止令が解除された直後の1952年（昭和27年）5月には、大阪青年グライダークラブが早くも光式2.2型の再生産機を飛行させています。1955年（昭和30年）夏に文部省が主催したグライダー製作講習会でも使用されるなど、戦後のグライダー活動の再開に貢献しました。1950年代後半まで東京軽飛行機研究所などで製造が続けられ、当時の日本を代表するセカンダリーグライダーとなりました。また、葉技師による改良型である東飛式MA型も東京軽飛行機によって4機が製造されています。

特徴

光式2.2型は弱風下での飛行に適した単座機で、構造は初級滑空機に近い木材を使用していますが、主翼の翼幅や支持方式、操縦席が木製骨組に羽布張りの整流用ナセルに覆われている点などに違いが見られます。主翼は外翼にテーパーがついており、V字型の支柱で支えられています。胴体は前部と後部に分解可能で、前部胴体下面には緩衝用のゴム塊を介して橇が取り付けられています。1943年12月の価格は1機1,500円でした。

主な仕様

全長: 6.2 m
全幅: 12.0 m
全高: 1.6 m
主翼面積: 16.0 m2
自重: 115 kg
全備重量: 175 kg または 180 kg
最良滑空速度: 50.2 km/h
翼面荷重: 11.0 kg/m2
乗員: 1名


光式2.2型は、その後の複座セカンダリーグライダーに道を譲りましたが、日本のグライダー史において重要な足跡を残しました。

参考文献

佐藤博『日本グライダー史』海鳥社、1999年
山崎好雄『滑空機の理論と実際』産業図書、1954年
秋本実「日本の軍用滑空機 その3」『航空ファン』第42巻第3号、文林堂、1993年
江頭正樹 編『日本民間航空史話』日本航空協会、1966年
河森鎮夫、中西正義、藤原洋、柳沢光二『J-BIRD 写真と登録記号で見る戦前の日本民間航空機 ◎満州航空・中華航空などを含む』日本航空協会、2016年

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