光明寺 (鎌倉市)

光明寺

光明寺は、神奈川県鎌倉市材木座にある浄土宗の寺院で、大本山としての格式を誇ります。天照山と号し、本尊は阿弥陀如来です。鎌倉有数の古刹として知られ、多くの文化財を有しています。

歴史

寺伝によると、光明寺は北条経時が開基となり、浄土宗の僧侶である然阿良忠が開山したとされています。当初は佐助ヶ谷に蓮華寺として創建されましたが、1243年に現在の場所に移築され、光明寺と改称されました。ただし、然阿良忠が鎌倉に来た時期については異説もあり、13世紀から14世紀にかけての詳しい歴史は不明な点も多く残されています。

室町時代には、祐崇によって復興され、1495年には後土御門天皇より勅願寺に定められました。近世には、浄土宗の関東十八檀林の第一位として隆盛を極めました。現在も、その歴史的価値と美しい景観から多くの人々が訪れています。

2019年11月からは、本堂の保存修理工事が10年計画で進められています。この本堂は、1698年に建立されてから320年の間に数回の大修理が行われてきましたが、前回の修理から50年が経過し、再び老朽化が目立つようになったため、大規模な改修が行われることとなりました。

境内

光明寺の境内には、歴史的価値の高い建造物や美しい庭園が点在しています。

山門：五間三戸二重門で、その壮大な姿は浄土宗関東総本山にふさわしい風格を漂わせています。鶴岡八幡宮から移築されたもので、1847年頃の建築とされています。
本堂（重要文化財）：1698年に建立された入母屋造の建物で、鎌倉地方では最大級の規模を誇ります。内部は畳敷きの広大な空間となっており、外陣と内陣に分かれています。1923年の関東大震災でも大きな損傷を受けず、建立当初の姿をよく保っています。
内藤家墓所：陸奥国磐城平藩、のち日向国延岡藩の領主であった内藤家歴代の墓所で、200基以上の石塔が立ち並びます。江戸の霊巌寺から移されたものです。
その他：総門、稲荷社、鐘楼などの近世の建築物や、開山堂、書院、客殿などが境内にあります。
庭園：小堀遠州作と伝えられる蓮池を中心とした庭園と、「三尊五祖来迎の庭」と称する枯山水庭園があります。四季折々の美しい風景を楽しむことができます。

また、近くには光明寺の支院である蓮乗院と千手院があります。蓮乗院は、光明寺が移転する以前からこの地にあった寺院であり、光明寺の住職が交代する際には、新しい住職が一時的にこの寺に滞在するという慣習が今も残っています。

文化財

光明寺には、多くの貴重な文化財が所蔵されています。

国宝
紙本著色当麻曼荼羅縁起 2巻：鎌倉時代に制作された絵巻物で、当麻曼荼羅と中将姫の説話を絵解きしたものです。
重要文化財
本堂
絹本著色当麻曼荼羅図 1幅
紙本著色浄土五祖絵伝 1巻
絹本著色十八羅漢および僧像 19幅

お十夜

毎年10月12日から15日まで、念仏法要である「お十夜」が行われます。この期間中は、植木市や露店なども立ち並び、多くの人で賑わいます。

交通

JR横須賀線・江ノ島電鉄鎌倉駅から京浜急行バス小坪経由逗子駅行き「光明寺」下車徒歩すぐです。

参考文献

「新指定の文化財」『月刊文化財』436号、第一法規、2000
河井恒久 等編 編「巻之七 光明寺」『新編鎌倉志』 第5冊、大日本地誌大系刊行会〈大日本地誌大系〉、1915年、127-130頁。
「山之内庄材木座村光明寺」『大日本地誌大系』 第40巻新編相模国風土記稿5巻之95村里部鎌倉郡巻之27、雄山閣、1932年8月、27-32頁。

関連項目

鎌倉アカデミア

外部リンク

浄土宗大本山 光明寺
光明寺 良忠上人について
* 光明寺ストリートビュー

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