入来院重豊 (14代当主)

入来院重豊（いりきいん しげとよ）

入来院重豊は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、島津氏の家臣であり、入来院氏の14代目当主です。

生涯

入来院重豊は、入来院重嗣の嫡男として生まれました。天正2年（1574年）8月、重豊が主君である島津義久に対して謀反を企てているという噂が立ち、重豊はこれに驚き、弁明のために、これまで拝領していた領地の山田、寄田、田崎、天辰（現在の鹿児島県薩摩川内市）を義久に献上し、起請文を提出しました。この行動により、重豊は本領である入来院75町を安堵されることとなりました。

その後、重豊は島津氏の武将として各地を転戦し、天正4年（1576年）の日向国高原城攻めや、天正6年（1578年）の耳川の戦いにも参加し、武功を上げました。

天正8年（1580年）の肥後国矢崎城攻めの際には、重豊自身は病に倒れてしまったため、家老の山口重秋と種子田秀高を名代として、数百人の兵卒を率いさせました。しかし、この戦いで、重秋と秀高を含む50余人が討ち死にするという大きな損害を出してしまいます。天正9年（1581年）には、相良氏の水俣城攻めの際に、重豊は脇大将を任され、戦に参加しています。

天正11年（1583年）、入来院重豊は死去しました。重豊には実子がなかったため、島津以久の次男である重時を養嗣子として迎え、入来院氏の名跡を継がせることとなりました。

まとめ

入来院重豊は、島津氏の家臣として、数々の戦に参加し、武功を上げましたが、その生涯は決して平坦なものではありませんでした。謀反の疑いをかけられたり、病に倒れたりと、様々な困難に直面しながらも、武将としての責務を果たそうと努めた人物であったと言えるでしょう。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集(13)　（鹿児島県史料刊行委員会）
『戦国人名事典』コンパクト版（新人物往来社） ISBN 4-404-01752-9

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