島津以久

生涯

島津以久は、天文19年（1550年）に薩摩国で島津忠将の子として誕生しました。父の忠将が戦死した後、伯父の島津貴久と従兄の義久によって養育されました。永禄8年（1565年）には大隅国帖佐郷を与えられ、その後、父の所領であった大隅の要衝、清水城を継承しました。

天正元年（1573年）には、島津義弘に従い、父を討った肝属氏を攻め、翌年には肝属氏を降伏させました。天正6年（1578年）には、日向国高城での大友勢との戦いで、自ら敵陣に突入し、その奮戦がきっかけとなり島津勢を勝利に導きました。この功績により、以久は第一の軍功者として認められました。

天正15年（1587年）の豊臣秀吉による九州征伐で島津氏が敗北すると、領地の再編が行われました。琉球貿易の独占を目指した義久は、種子島氏を知覧に移し、その結果、天正19年（1591年）に以久は種子島、屋久島、口永良部島の一万石を領有することになりました。文禄元年（1592年）には義弘に従って朝鮮へ渡りますが、翌年には帰国しています。慶長2年（1597年）には、居城を清水から種子島へと移しました。関ヶ原の戦い直前の慶長4年（1599年）には、義弘から大隅の垂水11687石を与えられ、種子島から垂水へと移りました。

佐土原藩主

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、島津氏は西軍に属し、島津豊久が戦死しました。戦後、徳川家康との交渉により、豊久の旧領である日向国那珂郡佐土原3万石が以久に与えられ、慶長8年（1603年）に日向佐土原藩の初代藩主となりました。長男の彰久は文禄の役で病没していたため、垂水は彰久の子である島津久信（忠仍）に譲られました。

慶長13年（1608年）には、駿府城の普請を助けた功績により、賞誉の御書を受けました。慶長15年（1610年）には、丹波国篠山城の普請のために京都へ赴き、上洛中に61歳で亡くなりました。法名は照譽崇恕高月院。京都四条寺町の大雲院に葬られましたが、この時の住職に世話になったことから、佐土原藩島津氏は曹洞宗から浄土宗に改宗しました。

長男の彰久は朝鮮の役で病没し、次男の入来院重時は養子に出ていたため、三男の忠興が跡を継ぎました。その後、長男の彰久の子孫は垂水島津家として、三男の忠興の子孫は佐土原藩主島津家として存続しました。

系譜

父母
父：島津忠将
母：佐多忠成の娘
妻子

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