入来院重通

入来院重通（いりきいん しげみち）

入来院重通は、江戸時代前期の薩摩藩士であり、薩摩入来領主である入来院氏の17代目当主です。その祖父は島津義虎という、島津氏の中でも重要な人物でした。

生涯

慶長13年（1608年）、島津氏の家臣である入来院重高の子として誕生しました。元和7年（1621年）12月には、藩主である島津忠恒の命により、犬追物の射手を務めるという重要な役割を果たしました。この犬追物という行事は、当時の武士にとって重要な武芸の一つであり、その射手を務めることは、武士としての能力を示す機会でもありました。

しかし、寛永9年（1632年）6月28日、父である入来院重高に先立ち、25歳という若さでこの世を去りました。その死は、藩にとって大きな損失であったと考えられます。彼の死後、家臣である大山三郎兵衛が殉死したという事実からも、彼の人となりが偲ばれます。主君の死を悼み、後を追って殉死するという行為は、当時の武士道における忠誠心の表れであり、入来院重通が家臣から深く慕われていたことを示しています。

入来院家の家督は、嫡男である重頼が相続しました。重頼は父の遺志を継ぎ、入来院氏を支えていくことになります。

入来院重通は、その短い生涯の中で、藩の重要な行事である犬追物の射手を務めるなど、藩に貢献しました。また、若くして亡くなったにも関わらず、家臣から深く慕われていたことからも、その人となりが窺えます。彼の生涯は、武士としての忠誠心と、家臣からの信頼が重要視された当時の社会を反映していると言えるでしょう。

参考文献

* 「入来村史」

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