入来院重高

入来院重高（いりきいん しげたか）

入来院重高は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、島津氏の家臣として知られています。元は島津氏の庶流である薩州家の出身でしたが、後に頴娃氏、そして入来院氏を称することになります。

生涯

重高は、島津義虎の五男として生まれ、初めは島津忠富と名乗っていました。しかし、長兄である忠辰が豊臣秀吉の怒りを買い改易されると、兄たちと共に小西行長の身柄預かりとなります。文禄3年（1594年）、行長に従い朝鮮の役に出陣し、その武勇を発揮して軍功を上げました。慶長2年（1597年）には島津義弘の陣に参じ、南原城攻めや泗川の戦いでも活躍し、再びその名を轟かせます。朝鮮から帰国後、彼は名を久秀と改めました。

慶長4年（1599年）に庄内の乱が勃発すると、重高は吉利忠張、新納忠在と共に山田城を攻めました。さらに、白石永仙が伏兵を用いて攻撃を仕掛けた際には、敵を打ち破り味方を救出するという活躍を見せました。翌慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、島津義弘の傍を離れず奮戦し、薩摩への退却戦においてもその手腕を発揮し、功績を挙げました。帰郷後、重高は200石を拝領し、頴娃弥三郎久音の名跡を相続し、頴娃弥一郎久秀と名乗るようになります。

慶長7年（1602年）には島津家久（忠恒）の上洛に随行しましたが、母の御平が病に倒れたとの知らせを受け、帰国しました（御平は同年11月12日に死去）。慶長10年（1605年）の上洛にも同行した際、重高は関ヶ原の戦いからの退却時に亡くなった入来院重時の一人娘の婿となるよう命じられ、入来院氏を継承し、入来院重国と改名しました。慶長18年（1613年）には入来院氏の本領である現在の鹿児島県薩摩川内市入来町へ領地替えとなり、その地頭となると、名を重高に改めました。

寛永14年（1637年）の島原の乱にも出陣し、島津久賀、喜入忠政、北郷久加、山田有栄と共に警護役を務めました。

島津忠恒の死後、重高は薩摩藩2代藩主である島津光久の参勤の供をするようになります。正保4年（1647年）、長崎に南蛮船2艘が現れると、これを追い返すために軍勢を率いて出陣しましたが、その帰途に阿久根蔵津で病を得て、そのままその地で亡くなりました。彼の死を悼み、4名の殉死者が出たと伝えられています。

重高は、寛永9年（1632年）に長男の重通を、同20年（1643年）に次男の重次を亡くしており、頴娃氏の家督は鎌田政近の四男である久政を養嗣子として迎え継がせました。また、入来院氏は孫の重頼が継承しました。


重高の生涯は、戦乱の時代を駆け抜け、島津家を支え続けた武将の姿を今に伝えています。

参考文献

* 『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）

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