全国民族民主運動連合

全国民族民主運動連合（全民連）

全国民族民主運動連合、通称全民連は、1989年に韓国における在野運動の中心となる団体として設立されました。この団体は、労働者や農民をはじめとするさまざまな団体の連合体であり、民族民主運動の進展を目指しています。特に、第六共和国と呼ばれる時代の中で、民主化への道を切り開くための活動を展開しました。

背景

1987年12月に実施された大統領選挙では、韓国の野党だけでなく在野勢力自体も多様な意見を持っていました。この選挙では、金大中候補を支持する動きの中で、批判的支持という形での支持や、金大中と金泳三候補の一本化、さらには白基玩を独自候補として擁立する動きが見られました。このように、在野勢力は大きく三つのグループに分かれることとなりました。

1988年4月に行われた第13代国会議員選挙でも、ハンギョレ民主党や民衆の党といった独自の政党を結成するグループが現れました。同時に、既存の保守政党である平和民主党や統一民主党に参加する者もいたため、民主統一民衆運動連合は大きな分裂を経験します。このような混乱を鑑みて、民族民主運動の求心的な力を生み出すための活動が1987年の10月頃から始まりました。

結成の経緯

88年9月2日には「全国民族民主運動協議会推進委員会」が設立され、その翌年である1989年の1月21日には正式に全民連が結成されました。この結成大会では、民族民主運動を進めるための具体的な目標と団結の重要性が確認されました。団体の設立には、農民や労働者だけでなく、良心的な教師やジャーナリスト、医療従事者といった多様な職業の人々も参加しており、愛国的で民主的な運動の力が結集されたことが印象的でした。

結成宣言

全国民族民主運動連合の結成にあたっては、以下のような宣言が行われました。

「勤労民衆の中心となり、青年学生達の闘争の原動力となり、良心的な教師・文人・宗教人・放送人・言論人・医療人・科学者達と中小の商工人や海外の同胞達が参加する愛国的民族民主運動力量の総結集体として、この地の真の民衆解放と自由平等社会の為に、自主化運動、反独裁民主化運動、祖国統一運動にまい進する」

このような宣言文は、全国民族民主運動連合の活動の根幹を形成し、メンバーが共有する目標を明確に示すものでした。

参考文献と関連項目

全民連についての詳しい情報は、韓国史編纂委員会の『朝鮮韓国近現代史事典』や、金栄鎬著の『現代韓国の社会運動　民主化後・冷戦後の展開』などの書籍で得ることができます。この運動の後には、民主主義民族統一全国連合（全国連合）という新たな在野組織が1991年12月に発足しており、民族民主運動は引き続き重要な位置を占めることとなっています。

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