全米天文学大学連合

全米天文学大学連合（AURA）

全米天文学大学連合（Association of Universities for Research in Astronomy, AURA）は、アメリカ合衆国を拠点とする大学および研究機関から成る、天文観測施設と大型望遠鏡の運用を専門とする非営利の連合体です。その主たる目的は、最先端の観測装置を提供・運用し、天文学研究のフロンティアを切り拓くことにあります。

AURAは、アメリカ国立科学財団（NSF）のイニシアティブにより、1957年10月10日に設立されました。当初は、カリフォルニア、シカゴ、ハーバード、インディアナ、ミシガン、オハイオ州立、ウィスコンシンの7大学がメンバーとして加わり、ミシガン州アナーバーで最初の学長会議が開催されました。現在、AURAには米国内の39機関に加え、7つの国際メンバーが参加しており、その規模を拡大しています。

設立当初、AURAは口径1メートルから4メートルクラスの地上望遠鏡を運用し、天文学者が可視光や赤外線を用いた観測を行うための基盤を提供することを意図していました。活動範囲は徐々に広がり、太陽観測施設の運用も手がけ、さらに口径8メートルの大型望遠鏡であるジェミニ天文台の運営にも深く関わるようになりました。また、WIYN望遠鏡やSOAR望遠鏡の運営にも連携しています。特に重要なのは1980年代からの宇宙望遠鏡分野への参画です。紫外線から赤外線までを観測するハッブル宇宙望遠鏡（HST）を運用する宇宙望遠鏡科学研究所（STScI）の管理を開始しました。そして、後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡（JWST）を通じて、赤外線観測能力のさらなる強化を目指しています。

AURAは、いくつかの極めて重要な天文観測施設群を統括して運営しています。これらは「AURAセンター」と呼ばれ、傘下にはNSF国立光赤外線天文学研究所（NSF's NOIRLab）、アメリカ国立太陽天文台（NSO）、宇宙望遠鏡科学研究所（STScI）が含まれます。

AURAセンター

NSF国立光赤外線天文学研究所（NSF's NOIRLab）: キットピーク国立天文台（ニューメキシコ州）、ジェミニ天文台（ハワイ、チリ）、セロ・トロロ汎米天文台（チリ）を運用します。チリで建設中のNSFヴェラ・C/ルービン天文台の運用も将来的に担当予定です。
アメリカ国立太陽天文台（NSO）: ニューメキシコ州サクラメントピークとキットピークにある太陽観測施設を運営します。
宇宙望遠鏡科学研究所（STScI）: アメリカ航空宇宙局（NASA）のハッブル宇宙望遠鏡の科学ミッションと、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の開発・運用準備を担当します。

組織体制

AURAの運営は、総裁と所長会議によって行われます。

総裁: 現総裁はMatt Mountain博士で、2015年3月1日に就任しました。最高執行責任者としてAURAを代表し、最高幹部として所長会議メンバーとなり、運営方針決定を主導し、活動を調整します。構成組織との良好な関係維持も担当します。
* 所長会議: 年4回開催され、AURAの方針決定、予算承認、管理委員会メンバー選出、総裁やセンター長などの主要ポスト任命を行います。AURAの効果的な運営と目標達成に責任を持ちます。

構成組織

現在、米国内39の学術・研究機関と、7つの国際的なメンバー機関がAURAに加盟しています。各構成組織のトップは、AURAの運営に参画する代表者を派遣します。

名誉

AURAの設立50周年を記念し、2007年6月1日に小惑星第19912番に「Aurapenenta」と命名されました。

AURAは、これらの観測施設と組織を通じて、天文学研究の発展に不可欠な役割を果たしています。

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