全面液晶機

全面液晶機とは

全面液晶機とは、パチスロ遊技機またはパチンコ遊技機において、大型液晶ディスプレイを前面に搭載した機種のことです。パチスロでは、リール演出を補完する役割から、擬似リールとしてゲーム性を大きく変える役割を担うようになりました。一方、パチンコでは、盤面デザインの自由度を高めるために導入されました。

パチスロにおける全面液晶機の歴史

黎明期

当初、「液晶パチスロ」として、リールそのものを液晶表示にする構想がありましたが、技術的な課題から実現には至りませんでした。その後、2000年にサミーの『ゲゲゲの鬼太郎』で、演出用として初めて液晶ディスプレイが搭載されました。初期の液晶は小型でしたが、価格低下とともに大型化が進みました。

演出の進化

2002年には、山佐の『ネオプラネットXX』で有機ELディスプレイが採用され、リールと重ねて演出を表示する試みが行われました。2003年には、サミーの『キングキャメル』で、メインリールを小型化し、代わりに「ドリームリール」という演出用リールを搭載。これにより、従来のパチスロにはないリールの動きが可能になり、新たなゲーム性が生まれました。

全面液晶の登場

2003年、エレコの『花火百景E』で、透過型大型液晶ディスプレイがメインリールの前面に配置され、リール上にも映像を投影することが可能になりました。2004年には、ロデオの『ガメラハイグレードビジョン』で、リール部分がくり抜かれた穴あき液晶ディスプレイが登場。同じくロデオの『カイジ』では、通常の液晶ディスプレイと簡易メインリールを組み合わせた擬似液晶パチスロ機が誕生しました。

5号機以降の進化

5号機では、規則改定によりリール上に映像を投影することが制限されたため、透過型液晶ディスプレイでもリール部分以外に演出を表示する形になりました。SANKYOの『夢夢ワールドDX』では、簡易メインリールのコマ数を増やし、ボーナス絵柄の目押しを簡略化。ビスティの『フィーバー・ロード・オブ・ザ・リング』では、ボーナスフラグが成立しても告知しないという、従来のパチスロにはないゲーム性を実現しました。また、ミズホの『バトルシーザーXXX』では、17インチの大型液晶を搭載し、液晶とストップボタンの間に簡易メインリールを配置するという、新しい筐体デザインが登場しました。

パチンコにおける全面液晶機の歴史

大型液晶の導入

パチンコ機では、液晶画面の大型化が進むにつれて、従来のセル（盤面）に液晶を埋め込む方式では、釘の配置に制約が生じるようになりました。そこで、アクリル樹脂製のセルの背面に大型液晶を配置する全面液晶タイプのパチンコ機が登場しました。

2つのタイプ

パチンコの全面液晶機は、セル部分に液晶があるタイプと、枠部分に液晶があるタイプに大別されます。枠部分に液晶があるタイプは、機種変更時に液晶部分を交換する必要がないため、経済的です。

初の全面液晶機

初めて登場した全面液晶機は、2002年に平和が試作展示した『PX2002』です。その後、2004年にミズホから『CR雀帝倶楽部』が初の全面液晶機として発売されました。平和からは、『CR燃える闘魂アントニオ猪木』で初めてSS枠が採用されました。

主な全面液晶機

パチスロ

4号機: 『花火百景E』（エレコ）、『ガメラハイグレードビジョン』（ロデオ）、『カイジ』（ロデオ）、『夢夢ワールドDX』（SANKYO）など
5号機: 『フィーバー・ロード・オブ・ザ・リング』（ビスティ）、『魁!!男塾』（ロデオ）、『バトルシーザーXXX』（ミズホ）など

パチンコ

枠部分に液晶があるタイプ: 『CR雀帝倶楽部』（ミズホ）、『CRサンダーV』（メーシー販売）、『CR燃える闘魂アントニオ猪木』（平和）など
セル部分に液晶があるタイプ: 『CR天空歌舞伎』（奥村遊機）、『CRコブラ〜終わりなき劇闘〜』（ニューギン）、『CRペルソナ3』（タイヨーエレック）など

まとめ

全面液晶機は、パチスロとパチンコの両方において、その後のゲーム性の進化に大きな影響を与えました。パチスロでは、演出の幅を広げ、擬似リールなどの新しいゲーム性を生み出しました。パチンコでは、盤面デザインの自由度を高め、よりダイナミックな演出が可能になりました。今後も、全面液晶技術は、パチスロ・パチンコの両業界において、更なる進化を遂げていくでしょう。

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