兪正声

兪正声について

兪正声（Yu Zhengsheng）は1945年4月5日に陝甘寧辺区延安で生まれた中華人民共和国の政治家です。彼は第8代中国人民政治協商会議の主席や第18期中国共産党中央政治局常務委員などの重要な役職を歴任してきました。その政治家としての背景には、父である兪啓威の影響が色濃く見えます。兪啓威は初代天津市長を務めた後、第一機械工業部長となった人物です。兪正声は漢族であり、太子党に属する政治家です。

経歴の概要

兪正声の政治的キャリアは、父が亡くなった後の1963年、ハルビン軍事工程学院に入学したことから始まります。1964年には中国共産党に入党。卒業後は河北省張家口市で工場に勤め、文化大革命期には家族が迫害を受けるという苦難を味わっています。1975年には電子技術の研究所に勤務し、徐々に出世を重ねていきました。1982年に電子工業部に入ると、そこでの人脈が彼のキャリアに大いに寄与しました。

1984年には中国身体障害者福利基金会に移り、そこでの経験を通じて鄧小平の息子、鄧樸方との親交を深めました。これが後に彼が政治の困難を乗り越える助けとなります。1985年、山東省煙台市の党委員会副書記に就任した際、兄の兪強声がアメリカに亡命する事件が発生しました。この局面で彼は鄧樸方を頼りにし、キャリアを守りました。

その後、湖北省党委員会書記を経て、2007年には上海市党委員会書記に就任。上海市で実施された2010年の万博では成功を収めるも、高層マンション火災で批判される場面もありました。

2012年11月には新しい党指導体制の中で習近平を補佐する形でしっかりとした地位を築くこととなりました。

政治姿勢

兪正声は政治家として非常に慎重な姿勢を取ることが特徴です。彼は自己の清貧を強調し、月給や自らの子どもに対する関係性に明確な制限を設けていることが知られています。特に、上海市党委書記在職中の発言で自らの子どもが公務員や企業と関与しないことを述べ、自らの誠実さをアピールしました。しかし、裕福な生活を維持していることも知られ、パテック・フィリップの高級時計を愛用している点が皮肉的に指摘されています。

まとめ

兪正声の政治家としての道のりは、多くの試練と成功の連続です。父の影響を受けた彼の政治姿勢は、彼が築いてきた人脈や政策に反映されています。彼の慎重なスタイルと確固たる信念は、今後の中国の政治にも何らかの形で影響を与えるでしょう。その将来に期待が寄せられています。

もう一度検索