八宝菜

八宝菜とは

八宝菜（はっぽうさい）は、豚肉、海老、野菜など、多くの具材を炒め煮にした中華料理です。中国の浙江、江蘇、安徽地方の料理、または広東料理がルーツとされています。日本では「五目うま煮」とも呼ばれます。「八」という字は、8種類の具材という意味ではなく、「たくさんの」という意味で使われています。

八宝菜をご飯の上にかける日本発祥の料理は中華丼として親しまれています。上海料理には「八宝飯」というデザートがありますが、これはもち米を甘く煮て、フルーツやナッツで飾ったもので、八宝菜とは全く異なるものです。

調理法

八宝菜は、丸底鍋を使って調理します。豚肉や金華ハムなどの肉類、エビやイカなどの魚介類、シイタケやキクラゲ、タケノコ、ニンジン、ハクサイ、タマネギ、チンゲンサイ、ピーマン、ヤングコーンなどの野菜、ウズラの卵など、さまざまな具材を油で炒めます。

その後、塩、醤油、鶏ガラスープ、オイスターソース、紹興酒などで味付けしたスープで軽く煮込み、水溶き片栗粉でとろみをつけて完成です。各家庭やお店によって、具材や味付けは異なります。

八宝菜の起源

八宝菜の起源には諸説ありますが、清の時代の政治家、李鴻章が広めたという説が有名です。

李鴻章が友人の家で、ありあわせの食材で作られた料理を気に入り、広めたという説。
李鴻章がアメリカで働いていた中国人労働者のごった煮を気に入り、広めたという説。

しかし、李鴻章が広めたという説には疑問も残ります。李鴻章が生まれた120年以上前の1697年に出版された料理本には、既に「八宝菜」という名前の料理が掲載されています。

この時代の八宝菜は、大根、ゴボウ、ニンジン、レンコンなどを炒め煮にした精進料理でした。李鴻章が広めたとされる八宝菜とは、内容や味が異なっていた可能性があります。現在では、李鴻章が広めた料理が一般的になっています。

関連料理

中華丼
八宝菜をご飯の上に乗せた、日本発祥の料理です。
チャプスイ
アメリカで生まれた、肉や野菜をごった煮にした中華風料理です。
* チャプチャイ
インドネシアの料理で、「バリ風八宝菜」とも呼ばれることがあります。

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