八幡神社 (町田市)

箭簳八幡宮の概要

箭簳八幡宮（やがらはちまんぐう）は、東京都町田市矢部町にある神社で、地域では「矢部八幡宮」とも呼ばれています。創建は616年、推古天皇24年に遡るとされ、当時の天皇が病気平癒を祈願して社殿が建てられたと伝えられています。この神社は、小山田氏一族の氏神としても知られ、彼らの地域の総鎮守として崇敬を受けていました。

戦国時代の天正4年には、北条氏照が疫病の流行に際して祈祷を行い、その霊験があったとされています。しかし、北条氏の滅亡や小山田氏の敗退により、その後は神職が不在となり、古文書等の保存は難しくなりました。かつてこの神社は「木曽八幡宮」とも呼ばれ、吉祥山住善寺の別当寺が存在しました。社名については、『武蔵風土記稿』では社殿に矢幹が立てられたことが由来とされ、『武蔵名勝図会』では木曽義仲の影響から改称したとの記録があります。

歴史的な背景

康平5年（1062年）には、源義家が戦勝を祈願したとも言われています。1788年、社殿は代官の梁田隠岐守により再建されましたが、その後何度か火災に遭い、現存する本殿と随身門は1710年に建てられたものです。社殿の再建には、小山田庄の氏子たちが関わっており、地域の結束を感じさせるエピソードが残されています。

祭神と祭礼

祭神は応神天皇（誉田別命）及び神功皇后で、祭礼には「奥宮開扉大祭」や「例祭」があります。特に「奥宮開扉大祭」では、33年に一度本開帳が行われ、神体が公開されることから重要な行事となっています。次回は2046年に scheduled されています。また、地元の伝統行事として「箭幹八幡獅子舞」や、御神輿、稚児行列も行われています。

境内の構成

境内には独特なデザインの両部鳥居があり、神仏混淆の名残として「卍」の刻まれた部分が見られます。神楽殿では町田市指定の無形民俗文化財である矢部町獅子舞が奉納され、地域の文化が受け継がれています。また、鐘楼は江戸時代のもので、神仏混淆の影響を如実に示す存在です。

伝承と民話

源義家に関する伝説も残されており、彼が病気を治すために祈願した際に、白髪の老人が現れ、神の力で快癒したとされています。また、化身に関する話は、平安時代の武士たちにとっての信仰の重要さを感じさせる逸話となっています。

アクセス

この神社は、町田駅からのアクセスが便利で、周辺には他の神社も点在しています。自動車を利用する場合は、町田街道の信号を目印に、駐車場も完備されています。また、JR淵野辺駅からの徒歩やバスによるアクセスも可能です。

まとめ

箭簳八幡宮は、地域に根付いた歴史と伝統を持つ神社です。多くの祭りや伝承がある中、地元の人々によって受け継がれ、崇敬されています。訪れることで、地域の信仰や文化に触れることができる貴重な場所と言えるでしょう。

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