八木逸郎

八木逸郎

八木逸郎（やぎ いつろう）は、1863年10月21日（文久3年9月9日）に生まれ、1945年（昭和20年）1月4日に没した、日本の医師であり政治家です。衆議院議員を奈良県選出で10回務め、その卓越した知識と経験で地域社会に貢献しました。また、ドイツで医学博士号を取得したドクトルメジチーネでもあります。

生い立ちと医学の道

八木逸郎は、大和国奈良（現在の奈良県）で、八木重義の長男として生まれました。大阪医学専門学校で医学を学んだ後、東京帝国大学医科大学別科を卒業。さらに医学の道を追求するためドイツに留学し、ロストック大学で医学博士号を取得しました。

医師としての活動

帰国後、一時静養したのち、東京帝国大学医科大学附属第一医院の副手となりますが、間もなく辞職し、故郷の奈良に戻って医業に専念します。地域医療に尽力する傍ら、奈良町会議員、奈良市会議員、奈良県会議員、同参事会員、添上郡会議員といった地方政治の要職を歴任し、地域社会の発展に貢献しました。

政治家としての活動

1908年、第10回衆議院議員総選挙で初当選を果たし、その後10回当選を重ねました。所属政党は、立憲政友会、政友本党、立憲民政党と変遷しましたが、常に地域住民の代表として、国政の場で活躍しました。また、奈良市医師会会長、奈良県医師会会長、日本医師共済生命保険相互会社専務取締役など、医療関係の要職も務め、医療制度の発展にも尽力しました。

その他の活動と晩年

1914年には、故郷の公職を全て辞し、東京に移住しました。晩年は、東京で過ごしたとされています。宗教は神道であり、住所は奈良市東向中町、東向北町、そして東京市牛込区市谷仲之町にありました。

家族

八木家は、父・重義、母・えい（森澤勇の長女）を持ち、妻は石川季造の三女・なつです。長男あるいは二男として、後に日本社会党の衆議院議員となり、部落解放運動家としても活動した一男がいます。また、娘婿に高木貞治（理学博士、東京帝国大学名誉教授）がいます。

栄典

1942年（昭和17年）1月14日には、その功績が認められ、勲二等瑞宝章を授与されました。

まとめ

八木逸郎は、医師として地域医療に貢献し、政治家としては長きにわたり国政に携わるなど、多方面で活躍した人物です。医学博士としての深い知識と、地域社会への強い貢献意欲を併せ持ち、日本の発展に尽くしました。その生涯は、地域社会と医療の発展に貢献した人物として、後世に語り継がれるべきでしょう。

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