八竜鉄右エ門

八竜鉄右エ門の姿

八竜 鉄右エ門（はちりゅう てつえもん）、本名は檜森 鉄右衛門。彼は1942年10月26日に秋田県山本郡八竜町で生まれ、後に大相撲界で名を馳せることになります。身長173cm、体重104kgの体格を持ち、最高位は1964年9月に達成した東十両15枚目でした。彼の得意技である右四つと押しを駆使して、数多くの試合で奮闘しました。

幼少期からの運動能力

八竜は中学時代からその運動能力を発揮し、相撲部と柔道部の主将を兼任していました。彼の才能は特に目を引き、地元の錦嶋部屋から勧められる形で相撲界に身を投じることになります。1958年4月には中学校を卒業後、相撲部屋に入門しましたが、身長が新弟子検査の基準に達していないため、入門から8ヶ月間は居候の日々を送る羽目に。ただその間も、彼は相撲への情熱を忘れず、日々努力を重ねていました。

初土俵と成長の軌跡

1959年1月場所でようやく初土俵を踏むことができ、以後は「八竜鉄右エ門」の四股名として活躍を始めました。序ノ口から出発した彼は、腕力を活かしながら、11場所連続で勝ち越しを果たすなど、順調に出世を遂げます。1964年9月には十両に昇進し、相撲ファンの期待を背負う存在となりました。

十両昇進とその後

しかし、順調なキャリアも長くは続きませんでした。1965年1月場所では連続負け越しにより、再び幕下に降格。その後、同年7月場所からは四股名を「八龍 信定」に改めて出場し、9月には再度十両に昇進します。しかし、再昇進直後の場所では全休し、22歳という若さで現役を引退することとなります。

引退と複雑な経緯

引退の原因は、巡業先での稽古中に下半身をけがしたことが大きく影響しています。失意の中、自らの髷を切り、もう一度現役に戻る決意を示しましたが、故障の影響は大きく、再十両も無事に終えることはできませんでした。引退後はその動向が不明となっていますが、1980年には元十両の四季の花範雄の八百長証言に対し、賛同する形で自身の経験を語ったことが報じられました。

風貌と酒豪

彼は現役時代、古武士のような風格を持ち、男性的な容貌が際立っていました。また、彼は酒豪としても知られており、その豪快な性格で現役時代に多くのファンの心を掴みました。従弟もまた大隆山の四股名で名を馳せ、同じく錦島部屋で修行した経歴を持っています。

主な成績と改名歴

八竜鉄右エ門の通算成績は168勝129敗、勝率は566。十両に在位していたのは3場所で、総在位は41場所に及びます。改名歴としては、最初の四股名である八竜鉄右エ門は1959年から1965年まで使用され、その後八龍信定に改名しました。


相撲界で活躍した八竜鉄右エ門は、その短いキャリアの中で多くのファンに知られた存在となり、その後も様々な形で語り継がれています。

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