八菅神社

八菅神社について

八菅神社（はすげじんじゃ）は、神奈川県愛甲郡愛川町八菅山に位置する神社で、かつては郷社としての格を持ち、長い歴史を有しています。最初の建立は中世に遡り、この地域では著名な修験道の霊場として知られていました。

由緒と沿革

この神社は、慶応4年（1868年）の神仏判然令による神仏分離の影響を強く受けました。その結果、神仏習合の修験道は解体され、八菅神社は明治時代以降、単独の神社としての主体性を持つようになりました。なお、入峰修行は明治5年（1871年）の修験宗廃止令が発布されるまで続けられ、その後は驚くべき変遷を辿ります。

八菅神社には、八菅山光勝寺時代に作られたいくつかの巨石碑が保存されており、その中には正応4年（1291年）や天文21年（1552年）、天保12年（1841年）に建立されたものが含まれています。これらの碑には、当時の修験者や訪問者の名が刻まれており、重要な歴史的資料とされています。

中世には、八菅山光勝寺が鎮守として七所権現を祀っていました。時代が進むと「七社権現」や「八菅山大権現」といった名称が使われ、権現社の位置付けがさらに重要になっていきました。これらの権現社は、熊野権現を中心に複数の神々が祀られています。

修験道と入峰修行

八菅山での修験道は、特に知られる入峰修行（峯入り修行）によって有名です。これは八菅山と大山の間の峰々を巡るもので、春と秋の二回に分かれて行われ、各49日間にわたりました。入峰修行は、聖護院から「国峰」として認定されたため、八菅山での修行を重ねることで、階位の昇進も図れました。

入峰修行の準備は、毎年2月15日から始まります。修行者たちは神木を立て、2月20日には神木登りの祭礼が行われ、参詣人が多く訪れます。修行は、春の例大祭や火渡りの行事に引き継がれ、現代にもその伝統を残しています。

神社の境内と文化財

八菅神社の境内には天然記念物に指定されている社叢林や宝物館があり、歴史を物語る数々の文化財が展示されています。また、「八菅山いこいの森」や「尾山耕地」といった自然豊かな周辺も魅力です。

アクセス

八菅神社へのアクセスは、小田急電鉄小田原線の本厚木駅から神奈川中央交通のバスを利用します。一本松バス停からは徒歩20分ほど。愛川町内の循環バスも利用可能で、いこいの森入口停留所から6分程度で到着します。

まとめ

八菅神社は、古き良き歴史を持つ神社であり、修験道の文化や信仰が色濃く残る場所です。その独自の祭事や歴史的価値に触れることで、日本の宗教的伝統と自然の美しさを楽しむことができるでしょう。

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