公海 (僧)

公海（こうかい）は、慶長12年12月12日（1608年1月29日）に生まれ、元禄8年10月16日（1695年11月22日）に没した、江戸時代前期の天台宗の僧侶です。父は花山院忠長、母は本願寺教如の娘という家系に生まれました。

公海は、元和6年（1620年）に天海僧正の門に入り、その薫陶を受けました。天海は当時、江戸幕府の宗教政策に深く関与し、天台宗の復興に尽力していました。公海は天海の弟子として、その教えを忠実に守り、宗門の発展に貢献しました。

寛永20年（1643年）に天海が亡くなると、公海はその法を継ぎ、東叡山寛永寺の住職となりました。さらに、天台宗の総本山である比叡山、そして徳川家康を祀る東照宮のある日光山を管理下に置き、天台宗一宗を管領する立場となりました。これにより、公海は天台宗における実質的な最高指導者となり、その影響力は絶大なものとなりました。

正保4年（1647年）には僧正に任じられ、翌正保5年（1648年）には大僧正に就任しました。これは、公海が天台宗における宗教的権威を確立したことを示すものです。しかし、後に公海は守澄法親王に三山（比叡山、寛永寺、日光山）の管理者の地位を譲りました。

また、公海は天海の遺志を継ぎ、山科（現在の京都市山科区）にある毘沙門堂の復興にも尽力しました。毘沙門堂は、天海が深く信仰していた寺院であり、公海は師の意思を受け継ぎ、その復興に尽力しました。

公海は、天海の弟子として、天台宗の発展に大きく貢献した僧侶であり、その功績は後世にまで語り継がれています。特に、寛永寺や日光山を統括し、天台宗全体を管理したことは、彼の偉大さを示すものでしょう。また、毘沙門堂の復興など、文化的な面でも大きな貢献を果たしました。

公海の生涯は、天台宗の歴史において重要な一ページであり、その活躍は多くの人々に感銘を与えています。

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