六条宮

六条宮について

六条宮は日本の皇室におけるひとつの御称号または宮号として知られています。その起源には様々な説が存在しますが、現在の学界では、六条宮が宮家の初例であるとする見解は否定的に考えられています。

概要

後鳥羽天皇の皇子である雅成親王が六条宮の名で称されるようになったのは、彼の誕生の経緯に由来します。雅成親王は正治2年（1200年）に誕生し、早くも宣陽門院覲子内親王の養子として育てられました。彼が養子として過ごした宣陽門院の御所は「六条殿」と呼ばれており、そのため彼は「六条宮」という呼称で知られるようになりました。雅成親王は、わずか5歳の時に親王宣下を受けることで、その地位を確立します。

しかし、雅成親王の運命は波乱に満ちていました。彼は承久の乱により、兄である順徳天皇とともに但馬国へと流され、一時は「但馬宮」と称されることとなります。一説によれば、彼は後に京へと戻り、再び六条殿に居を構えたとも考えられていますが、その点については異なる意見も存在します。

さらに、雅成親王の子孫たち、特に権僧正源空や澄覚法親王は、特に「六条宮」と名乗ることはありませんでした。この事実は、六条宮の称号が雅成親王個人に特有なものであったことを示しています。学界では、六条宮は鎌倉時代の後期に成立したものであり、天皇から受け継がれた所領とともに子孫に相続されるような形ではなかったという説が一般的です。

近年の研究

最近の研究では、六条宮の称号が雅成親王だけに限られたわけではなく、順徳天皇の五子である忠成王が同様にその称号を持っていたことが確認されています。このことを示す資料として、高野山文書の『宝簡集』にある「金銅三鈷相伝事書案」が指摘されています。この発見は、六条宮が実際には世襲され、後の宮号の最古の例である可能性を考慮させるものです。

系図

系図については詳細な記録が残されており、雅成親王がどのように宮家の中で位置付けられているかを示しています。この系図は、彼の血筋や後継者に関しての理解を深める上で重要な資料となります。

関連項目

「六条宮」に関する事件として、宮騒動が挙げられます。これは、六条宮を皇位に就けようとする陰謀であり、従来は帰京後の雅成親王と結びつけられていましたが、近年ではこの時の六条宮は忠成王を指している可能性が高いとされています。そのため、雅成親王はこの騒動には無関係であった可能性も考えられています。

以上のように、六条宮についての理解は時代と共に変化してきました。雅成親王の名のもとに形成されたこの称号の歴史は、今後の研究によってさらに掘り下げられていくことでしょう。

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