六浦藩

六浦藩の歴史と概要

六浦藩（むつうらはん）は、かつて武蔵国に存在した藩で、現在の神奈川県横浜市金沢区や平塚市、秦野市を含む地域がその領地として受け継がれています。この藩は、横浜市内で唯一の藩として知られており、特に金沢文庫に近い金沢地域に主に関連しています。藩庁は六浦に設置された陣屋に置かれ、その名称から武州金沢藩や武蔵金沢藩という呼び名も持っています。

領地の構成

六浦藩の領地は元禄年間に設定され、その当時は寺社領を除く様々な村が含まれていました。具体的には、久良岐郡の寺前村や三分社家分村、三分寺分村、平村、坂本村、赤井村、宿村などの7つの村がその中にありましたが、全体の石高は比較的少なく、相模国大住郡など他の地域からの石高が多くなっていました。藩の成立時には、幡羅郡や埼玉郡、足立郡、比企郡、相模国大住郡、上野国碓氷郡などから合計18村を領有していました。

その後、元禄12年には石高が増加し、39村にまで拡大。しかし、1759年の分知の際に再度領地の変更があり、30村に減少しました。1869年には明治政府の版籍奉還により六浦藩としての正式名称が与えられました。この際、加賀金沢藩との名称の重複を避けるための措置と考えられています。

藩の歴史と支配者

六浦藩を拠点とした米倉氏の起源は、甲斐の武田氏に仕えた家系にあります。しかし1382年、武田氏が滅ぼされると、米倉氏は徳川家康に仕官し、中でも米倉昌尹は五代将軍徳川綱吉に仕え、頭角を現しました。彼は下野の皆川藩を拝領し、その後陣屋を六浦に移転することとなります。

初代藩主は米倉忠仰であり、彼は柳沢吉保の実子であり、歴代藩主の中でも特に重要な人物とされています。六浦藩は大名としての成立から1869年まで、主に米倉家がその統治を行い続けました。

陣屋の現状と文化

現在、六浦藩の陣屋の跡地にはその当主一家が住んでおり、陣屋の一部として当時の石段が今でも残されています。また、家族はテレビ番組にも登場するなど、その文化的な存在感を保っています。米倉家の菩提寺は神奈川県秦野市にあり、その歴史も脈々と受け継がれています。

幕末の領地の構成

幕末期の六浦藩の領地は、次のように構成されていました：

• - 武蔵国：久良岐郡内の4村、埼玉郡内の2村
• - 相模国：淘綾郡内の1村、大住郡内の9村
• - 下野国：都賀郡内の6村、安蘇郡内の6村

このように、六浦藩は横浜市周辺を中心に広がったバランスの取れた領地構成を持ち、地域にとっても重要な藩であり続けました。今後もその歴史や文化が多くの人々に引き継がれることを期待しています。

もう一度検索