都賀郡

都賀郡（つがぐん）とは

かつて栃木県（下野国）に存在した郡です。

郡域

都賀郡は、現在の下都賀郡と上都賀郡を合わせた地域におおむね相当しますが、行政区画として明確に定められたものではありません。

歴史

都賀郡の歴史は古く、奈良時代にまで遡ります。

741年 - 聖武天皇の詔により、下野国分寺、国分尼寺が建立されました。
927年 - 延喜式神名帳に、郡内の神社として大神神社、大前神社、村檜神社が記載されました。
938年 - 和名類聚抄には、布多、高家（カキイエ）、山後（ヤマシリ）、山人、田後（タシリ）、生馬、委文（シトリ）、高栗（タカクリ）、小山（ヲヤマ）、三嶋（ミシマ）の10郷が記載されました。
秀文（シトリ）郷 - 現在の都賀郡志取村。
小山（ヲヤマ）郷 - 現在の都賀郡下古山村、上古山村。「こやま」と読む古地名（古山、児山など）は複数ありますが、「おやま」と読む例は「小山」以外にありません。

近代以降の沿革

所属町村の変遷については、下都賀郡および上都賀郡の沿革を参照してください。

明治初年時点での都賀郡は、9町1宿375村で構成されており、支配関係は以下の通りでした。幕府領は真岡代官所が管轄し、その他、寺社領が各村に点在していました。

後の下都賀郡域（7町1宿272村） - 幕府領、旗本領、下総古河藩、下野壬生藩、下総関宿藩、下野宇都宮藩、下総佐倉藩、下野足利藩、常陸下妻藩、武蔵金沢藩、対馬府中藩、下総結城藩、出羽久保田藩、上野館林藩、下野吹上藩、下野喜連川藩、下野高徳藩、下野大田原藩など
後の上都賀郡域（2町103村） - 幕府領、旗本領、下野喜連川藩、下野宇都宮藩、下野壬生藩、下総佐倉藩、下総多古藩、下野足利藩、下野吹上藩、常陸下妻藩、日光領など

明治維新後の変遷

慶応4年（1868年）
6月4日 - 鍋島道太郎が真岡知県事に就任し、幕府領・旗本領を管轄しました。
8月 - 日光奉行が管轄していた日光領が収公されました。
明治2年（1869年）
2月15日 - 真岡知県事が日光県に改称されました。
6月23日 - 金沢藩が任知藩事にともない六浦藩に改称されました。
8月7日 - 府中藩が任知藩事にともない厳原藩に改称されました。
明治初年 - 領地替えにより、旗本領の一部が古河藩の、館林藩領・厳原藩領および足利藩領の一部が日光県の管轄となりました。
明治3年（1870年）
3月19日 - 高徳藩が転封となり、領地が日光県に編入されました。
7月17日 - 喜連川藩が廃藩となり、領地が日光県に編入されました。
明治4年（1871年）
1月13日 - 久保田藩が秋田藩に改称されました。
7月14日 - 廃藩置県により、藩領が古河県、壬生県、関宿県、宇都宮県、佐倉県、下妻県、六浦県、結城県、秋田県、吹上県、大田原県、多古県の管轄となりました。
11月14日 - 第1次府県統合により、全域が栃木県の管轄となりました。
明治11年（1878年）11月8日 - 郡区町村編制法の栃木県での施行により、都賀郡は廃止され、栃木町ほか7町2宿220村の区域に下都賀郡が、鹿沼町ほか2町97村の区域に上都賀郡が発足しました。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 9 栃木県、角川書店、1984年11月1日。ISBN 4040010906。
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧

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