六輔七転八倒九十分

六輔七転八倒九十分

六輔七転八倒九十分（ろくすけしちてんばっとうきゅうじゅっぷん）は、TBSラジオで放送されていた生ワイド番組です。2015年9月28日にスタートし、翌2016年6月27日に幕を下ろしました。毎週月曜日の18時から19時30分までの90分間、リスナーに届けられました。

概要

この番組は、長年続いた人気番組『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』の放送終了に伴い、その流れを引き継ぐ形で始まりました。メインパーソナリティの永六輔をはじめ、はぶ三太郎、外山惠理といった主要メンバーがそのままスライド。さらに、長峰由紀アナウンサーが隔週で加わる布陣となりました。ディレクターには、『大沢悠里のゆうゆうワイド』でも知られる大沢悠里が名を連ねています。

番組が目指したのは、月曜日の夜に大人たちが肩肘張らずに自由に語り合う空間の創造です。同時に、「日本語」という言葉の持つ喜びや奥深さをリスナーと共に感じ取ることを重要なテーマとして掲げていました。ゲストを迎えるコーナーでは、「永六輔ならでは」と言えるような多彩な顔ぶれが登場。時間をたっぷりと使い、掘り下げたトークが繰り広げられました。

『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』時代にリポーターとしてお馴染みだったラッキィ池田も、不定期ながら番組冒頭に電話出演するなど、前身番組の雰囲気を色濃く残していました。また、番組中に寄せられるリスナーからの電話、FAX、電子メールを紹介する時間も設けられていました。

番組名の「六輔七転八倒」は、永六輔がかつて1976年度から1983年度にかけて、ナイターオフ期間に放送された『ゴールデン・ワイド』枠内で生放送していた自身の番組『永六輔の誰かとどこかで』からスピンオフした同名番組に由来します。

オープニングには三遊亭小円歌（現在の二代立花家橘之助）の演奏による「伊勢津」が、エンディングには同じく三遊亭小円歌（二代立花家橘之助）の演奏による「かっぽれ」が流れ、独特の番組カラーを添えました。

番組の終焉と永六輔

番組にとって最も大きな転機となったのは、メインパーソナリティである永六輔の体調不良でした。背中の痛みの治療に加え、肺炎を患ったため、2016年2月から番組への出演を見合わせていました。その後も療養を続けていましたが、パーキンソン病も発症しており、体力回復には時間がかかる見通しとなりました。

2016年5月9日の生放送中、永六輔の所属事務所から寄せられた手紙がアシスタントの外山惠理によって代読されました。そこには、永六輔が退院し自宅療養中であること、体力回復の見通しが立たないため、自身の名前を冠した番組に一度区切りをつけること、そして再びリスナーに声を聞かせたいという本人の思いが綴られていました。そして、同年6月27日をもって『六輔七転八倒九十分』が終了することが発表されたのです。

わずか9ヶ月での番組終了は、永六輔の体調に起因するものでした。

番組終了後、同じ月曜夜の枠では、はぶ三太郎がメインパーソナリティを務める新番組『いち・にの三太郎〜赤坂月曜宵の口』がスタートし、前番組の一部企画や流れは引き継がれました。

最終回となった2016年6月27日の放送では、はぶ三太郎と長峰由紀が出演。永六輔の次女で元フジテレビアナウンサーの永麻理がゲストとして登場し、永六輔の息子であるマネージャーからの近況を伝えるメールが紹介されました。番組終盤には、旧知の仲である黒柳徹子がスタジオに飛び入り参加するなど、賑やかながらも永六輔への思いが詰まった幕引きとなりました。

『いち・にの三太郎』の初回放送から間もない2016年7月7日、永六輔は逝去しました。この訃報は同年7月11日の『いち・にの三太郎』放送前に公表され、『六輔七転八倒九十分』が永六輔にとって生涯最後のレギュラーラジオ番組となったことが明らかになりました。

主な出演者

パーソナリティ: 永六輔
アシスタント: はぶ三太郎、外山惠理（TBSアナウンサー）、長峰由紀（TBSアナウンサー）
外山アナと長峰アナは隔週で出演。
準レギュラー: ラッキィ池田（不定期電話出演）

主なコーナー

番組のコーナーは、前身番組『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』から多くが引き継がれており、交通情報や一部コーナーのBGMも共通のものを使用。

千客万来 宵の口（18時台）、六輔交遊録 ご隠居長屋（19時台）: 永六輔とゲストが自由なトークを繰り広げるメインコーナー。『土曜ワイド』時代の常連ゲスト（ピーコ、小室等、きたやまおさむ、松島トモ子、大橋巨泉、若山弦蔵など）も引き続き出演しました。
野坂昭如さんからの手紙（提供：カタログハウス）: 故・野坂昭如が生前に番組や関係者に送った手紙を、女性アシスタント（外山、長峰）が朗読するコーナー。野坂の没後も、過去の手紙を読む形で継続されました。
明解さんちゃん（提供：三省堂）: はぶ三太郎が、日常使われる言葉の語源や意味、日本語の面白さを解説しました。
音のペダル（提供：KEIRIN）: 自転車に関する話題やトピックスを紹介するコーナーでした。

約9ヶ月という短い期間ではありましたが、永六輔の晩年における大切なラジオ番組として、多くのリスナーの記憶に残っています。

放送時間

毎週月曜日 18:00 - 19:30

関連番組

永六輔の誰かとどこかで（番組名の元になった『六輔七転八倒』はこの番組からのスピンオフ）
いち・にの三太郎〜赤坂月曜宵の口（後番組）

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