共同運航 (海運)

共同運航（きょうどううんこう）について

共同運航は、海運業における運行形態の一つであり、複数の海運会社が同じ航路を協力して運行する仕組みです。この協力により、各社は過度な競争を避けることができ、安定した運航を実現しています。共同運航には、どのような特徴や仕組みがあるのでしょうか。

運行の仕組み

共同運航の主な形態は、1つの航路に対して2社以上が参加し、それぞれの船舶を出し合いながら運航することです。これにより、ダイヤグラムや運賃に関する収入体系を調整し、経済的にも効率的な運行が可能となります。

一方で、同じ区間を運行しているにもかかわらず、各社が独自に調整を行わずに競争している場合は「ダブルトラック」や「トリプルトラック」と呼ばれ、これは共同運航には該当しません。このような場合は、出港時間も調整されないため、複数の船がほぼ同時に出発することが多くなります。

この運行形態は、旅客船だけでなく貨物船においても行われており、さまざまな航路で利用されているのです。

乗船券の共有

共同運航において、特に旅客船やカーフェリーの乗船券は、共同運航している会社間で共通化されることが一般的です。これは、鉄道やバスの「共通乗車制度」と似た仕組みです。具体的には、海運会社が中心となり、統一されたチケットセンターを設けることや、各社が別々の発券窓口を持ちつつも、乗船券がどの船にでも使用できるような形態をとっています。

運賃はまとめられ、各社の運航本数に応じて配分されるのが通常です。これにより、乗客にとっても利便性が高まります。

共同運航の実例

現在、共同運航を行っているいくつかの旅客航路の例としては、以下のようなものがあります。

• - 新岡山港 - 土庄港航路：四国フェリーと両備フェリーが運航
• - 松山観光港 - 呉港 - 広島港航路：瀬戸内海汽船と石崎汽船が運航

これに対して、共同運航が廃止されたケースも存在します。例えば、八重山観光フェリーと安栄観光は2020年10月に共同運航を終了し、青函フェリーも共栄運輸と北日本海運の合併に伴い2022年4月に共同運航を廃止しました。

まとめ

共同運航は、海運業界において効率的な運行を実現する有力な手段です。今後も、さまざまな航路でこの形態が活用されていくことでしょう。関連する概念には、コードシェア便や共同運行などがあり、これらも運航業界において重要な役割を果たしています。

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