共和国運動

共和国運動について

共和国運動（きょうわこくうんどう、Mouvement national républicain）は、フランスの極右政党であり、ブルーノ・メグレにより設立されました。略称はMNRで、国民保守主義のイデオロギーを掲げています。この政党は、ジャン＝マリー・ル・ペンが党首を務める国民戦線から派生したもので、政治的背景には複雑な権力闘争が存在します。

経緯

ブルーノ・メグレは国民戦線内で重要な役割を果たしており、党内での影響力は大きかったものの、1998年に党の乗っ取りを試みるも失敗し、12月には除名されました。その後、メグレは自身の支持者を引き連れ、1999年には新たに党大会を開催。この新たな党は「国民戦線-国民運動」と名付けられ、メグレが党首に就任しました。しかし、翌年の5月にパリ大審裁判所から名前とロゴの使用を禁止されるという大打撃を受けます。

続く1999年の欧州議会議員選挙では、党は候補者を擁立しましたが、得票率は3.28%と低迷し、議席を獲得することはできませんでした。10月には、党名を「共和国運動」に変更しました。

2002年のフランス大統領選挙ではメグレ自身が候補者として名乗りを上げましたが、結果は66万7026票、得票率2.34%の惨敗に終わりました。続いて行われた国民議会議員選挙でも571選挙区に公認候補を立てるも、全体の得票数は27万6376票にとどまり、当選者を出すことはできませんでした。

2006年にはル・ペンと会談し、2007年の大統領選挙に向けてル・ペン候補を支持することで合意。また、同年の国民議会議員選挙でも「反移民・反イスラム化・反治安悪化」を掲げ379名の公認候補を立てたが、当選者はなしという結果でした。2022年の大統領選挙および議会総選挙に際しては、エリック・ゼムールと彼の政党を支持する姿勢を見せました。

政策

共和国運動の政策は、主にフランス独自の文化や生活様式を保護し、国民のアイデンティティを守ることに重きを置いています。その具体的な政策項目は以下の通りです。

• - フランスの伝統的な価値観の保護
• - 移民の流入の抑制
• - 死刑の復活
• - 自国の歴史に誇りを持つことの重要性の強調
• - 責任感のある自由な国民を育成すること
• - カトリックの信仰の尊重

これらの政策は、国民保守主義の根底にある価値観と密接に関連しており、国家のアイデンティティと文化の保持を目的としています。

参考文献

この政党に関するさらに詳しい情報は、以下の参考文献にて確認できます。

• - 『パリの移民・外国人 欧州統合時代の共生社会』 本間圭一（著） 高文研
• - 『フランス極右の新展開―ナショナル・ポピュリズムと新右翼』 畑山敏夫（著） 国際書院
• - 『現代フランスの新しい右翼―ルペンの見果てぬ夢』 畑山敏夫（著） 法律文化社
• - 『沸騰するフランス 暴動・極右・学生デモ・ジダンの頭突き』 及川健二（著） 花伝社

外部リンク

• - 党公式サイト

共和国運動は、フランスの政治において極右の立場から重要な役割を果たしています。今後の動向にも注目が必要です。

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