兵庫県道349号市場多井田線

兵庫県道349号市場多井田線は、兵庫県小野市から北隣の加東市に至る一般県道です。この路線は、主に加古川に沿うような経路をたどり、両市間の主要な交通路の一つとしての役割を担っています。

路線の起点に当たるのは、小野市市場町の万才橋南交差点です。ここでは、加古川市方面や小野市中心部方面へ向かう兵庫県道18号加古川小野線、および兵庫県道375号平荘市場線と接続しています。特に県道375号とは、この起点から短い区間、経路を共有する重複区間となっています。

起点を出発した県道349号は、市場町を引き続き通り、その後、小野市内の広範囲を経由しながら北上します。小野南中学校の近くを通過し、JR加古川線と並行する区間や、神戸電鉄粟生線との交差も見られます。この地域には、JR加古川線の小野町駅、河合西駅、青野ケ原駅、そして加古川線・神戸電鉄粟生線・北条鉄道北条線が集まる粟生駅などがあり、これらの駅へのアクセス路としても利用されています。

さらに進むと、陸上自衛隊青野原駐屯地の東側を通過し、加東市に入ります。加東市内では、JR加古川線の社町駅、滝野駅、滝駅などが沿線に位置しており、兵庫県立播磨中央公園の広大な敷地の東側をかすめるように経路が設定されています。公園への主要なアクセス路の一部としても機能しており、利用者の多い区間と言えるでしょう。

本路線はいくつかの県道との重複区間を持ちます。前述の起点付近での県道375号平荘市場線との重複に加え、小野市片山町から阿形町にかけては主要地方道である兵庫県道81号小野香寺線と重複し、この区間で加古川に架かる大住橋を渡ります。また、小野市粟生町の粟田橋西詰交差点から粟生西交差点の間では、同じく主要地方道である兵庫県道23号三木宍粟線と重複しています。さらに、加東市下滝野1丁目の播磨中央公園下交差点から下滝野2丁目のみどり大橋西詰交差点にかけては、兵庫県道145号下滝野市川線と重複するなど、経路の一部で複数の県道の役割を兼ねています。

沿線には、前述の兵庫県立播磨中央公園や陸上自衛隊青野原駐屯地といった大規模施設のほか、小野市立小野南中学校などの教育機関、地域住民の生活を支える店舗などが点在しています。また、加古川線や神戸電鉄粟生線といった鉄道路線が近接しており、駅への連絡路としての側面も持っています。

路線上には、複数の河川を渡るための橋梁が設置されています。小野市内では山田川を渡る新向島橋、加古川を渡る大住橋（県道81号重複）、万願寺川を渡る阿形橋などがあります。加東市に入ると、油谷川を渡る八幡橋や、終点近くで再び加古川を渡る闘竜橋などがあり、これらの橋が路線の連続性を保つ上で重要な役割を果たしています。

終点である加東市多井田の闘竜灘交差点は、加古川の景勝地として名高い闘竜灘のすぐ近くに位置しています。ここでは兵庫県道294号黒田庄多井田線と接続しており、この県道の終点を迎えます。

総延長は約14.882キロメートル。兵庫県道349号市場多井田線は、小野市と加東市の間を南北に結び、沿線の住宅地、公共施設、大規模公園、そして鉄道路線や他の主要道路を連携させ、地域の交通ネットワークを支える重要な一般県道としての役割を担っています。

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