具志川村

具志川村（ぐしかわそん）とは

具志川村は、かつて沖縄県久米島に存在した村です。久米島の西半分と、沖縄県最北端の硫黄鳥島から構成されていました。硫黄鳥島は、久米島から遠く離れた場所に位置する無人島です。

歴史

琉球王国時代から、久米島は西半分を具志川、東半分を仲里と分けて統治されていました。沖縄復帰後、隣接する仲里村との合併が検討されましたが、新庁舎の位置を巡って一時頓挫しました。しかし、1990年代に再び合併の機運が高まり、2002年4月1日に仲里村と合併し、新たに久米島町が誕生しました。これにより、具志川間切から300年以上、村制施行から94年続いた具志川村はその歴史に幕を閉じました。

地理

具志川村は、沖縄本島から西へ約100km離れた久米島の西半分に位置していました。また、沖縄県最北端の硫黄鳥島も村に属していました。硫黄鳥島は、1904年に住民が移住して以来、無人島となっています。かつて島に住んでいた人々によって、久米島には鳥島という集落が形成されました。

集落

具志川村には、以下の集落が存在しました。

硫黄鳥島（いおうとりしま）：20世紀初めに住民が久米島に移住し、無人島となった。
上江洲（うえず）
大田（おおた）
大原（おおはら）
嘉手苅（かでかる）
兼城（かねぐすく）
北原（きたはら）
具志川（ぐしかわ）
鳥島（とりしま）：かつて硫黄鳥島から移住した住民らでつくった集落
仲地（なかち）
仲泊（なかどまり）：村役場所在地
仲村渠（なかんだかり）
西銘（にしめ）
山里（やまざと）

交通

空路

村内には久米島空港があり、那覇空港との間に毎日数便が運航していました。また、1997年からは東京・羽田空港への季節限定便も運航していました。

海路

村内の兼城港からは、大型フェリーが渡名喜島経由で那覇泊港とを結んでいました。かつては1日1往復でしたが、高速船の廃止後、2005年からは毎日2往復となりました。また、2004年までは高速船「ぶるーすかい」が仲里村の真泊港から那覇泊港を結んでいましたが、現在は廃止されています。

陸路

村内には、以下の県道が通っていました。

沖縄県道89号久米島空港真泊線（主要地方道）
沖縄県道175号兼城港線（村内のみを通る県道）
沖縄県道242号宇根仲泊線
沖縄県道245号久米島一周線

また、路線バスが隣の仲里村とを結んでいるほか、空港連絡バスも運行されていました。

主な観光地

五枝の松

出身著名人

大田昌秀（琉球大学名誉教授、元沖縄県知事、元社民党参議院議員）
宮里静湖（詩人、童謡「桑の実」や「沖縄県民の歌」を作詞）

備考

1968年に沖縄本島中部の中頭郡具志川村が具志川市に昇格するまで、久米島と本島に同名の「具志川村」が存在していました。そのため、郵便物を送る際には、久米島の具志川村へは「久米島具志川村」または「島尻郡具志川村」、本島の具志川村へは「中頭郡具志川村」と記載する必要がありました。1976年に出版された郷土史も『久米島具志川村史』と題されています。本島の具志川村が市制を施行し具志川市となってからは、「久米島」や「島尻郡」と記載する必要はなくなりました。しかし、久米島以外では、「具志川」といえば本島の具志川を指すことが多く、特に仲里村との合併で久米島町となって以降は、島外で「具志川」と言った場合、久米島西部の具志川を指すことは少なくなりました。一方、本島の「具志川」は、石川市などと合併してうるま市になった後も、同市に大字として現存しており、市の中心部を指す地名としてよく使われています。

関連項目

沖縄県の廃止市町村一覧

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