兼山口駅

兼山口駅の概説

兼山口駅（かねやまぐちえき）は、かつて岐阜県可児郡兼山町（現在の可児市）に所属していた名古屋鉄道八百津線の駅でした。この地区の鉄道の歴史を知る上で、重要な役割を果たした駅でもありますが、2001年に廃止されました。

歴史の流れ

兼山口駅は、1930年4月30日に東美鉄道の駅として開業しました。当初はこの鉄道会社が運営していましたが、1943年3月1日に名古屋鉄道が東美鉄道を吸収合併し、名古屋鉄道の東美線の一部となりました。その後、1948年の線名改称により八百津線の駅として再スタートを切ります。

1961年には、年度内に貨物営業が廃止され、同年間の11月には行違い設備も廃止されました。さらに、1963年7月16日には駅が無人化され、手続きが簡素化されることとなりました。最終的には、2001年10月1日に八百津線の全線廃止と共に、兼山口駅もその歴史に幕を下ろしました。

駅の構造

兼山口駅は廃止されるまで、1面1線の地上駅でした。便所や自転車置き場が設置されていたため、最低限の利便性は保持されていました。駅の利用方法としては、周囲で行われていた丸山水力発電所の建設工事に伴い、列車の交換が可能であった時期もありましたが、最終的には利用者数が減少し、駅も無人化される運命を辿りました。

乗客や貨物の動き

名古屋鉄道の資料、『名古屋鉄道百年史』によると、1992年度の1日平均乗降人員は111人という結果が示されています。この数値は、名古屋鉄道の全342駅中335位、また八百津線に属する16駅の中でも最下位でした。このように、利用者数は非常に少なく、長期的な視点で見ても厳しい状況だったと言えます。

駅周辺の紹介

兼山口駅の近くには、八百津線唯一のトンネルが存在し、周辺スポットとしては兼山城址である古城山や、兼山湊跡などの歴史的な名所があります。ただし、東海環状自動車道のインターチェンジは近隣に存在せず、八百津線の営業時には開通していなかったため、交通の便は限られていました。

隣接駅と関連項目

八百津線沿線の隣駅は明智駅で、兼山口駅を挟む形で兼山駅があります。興味深いことに、1965年4月5日までは中間に東伏見駅や城門駅も存在していましたが、現在はその姿は見ることができません。

このように、兼山口駅はその歴史を通じて多くの人々に利用されながらも、最終的には消えてしまった廃駅としての側面を持っています。日本の鉄道遺産の一部として、今後もその存在は語り継がれることでしょう。

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