内ヶ島為氏

内ヶ島為氏は、室町時代に活躍した武将であり、内ヶ島季氏の子として生まれました。彼の生涯は、室町幕府の動乱と、地方における勢力争いの渦中にありました。

父・季氏は、足利義満の馬廻衆として幕府に仕えていましたが、為氏の代になると、足利義政の命を受け、白川郷へと入ります。彼は向牧戸城を築城し、ここを拠点として白川郷を支配しました。しかし、間もなくして応仁の乱が勃発し、為氏は幕府軍の一員として上洛を余儀なくされます。

応仁の乱が終結し、故郷へと戻った為氏を待ち受けていたのは、新たな脅威でした。白川郷では、照蓮寺の住職であった教信が還俗し、三島将監と名乗って武士化。寺務職を弟の明教に譲り、諸国から浪人を雇い入れるなどして、内ヶ島氏に匹敵するほどの勢力を築き上げていたのです。この事態を重く見た為氏は、文明7年（1475年）に照蓮寺を急襲します。

激戦の末、三島将監は自害。弟の明教は逃亡を図りますが、程なくして自らの命を絶ちました。これにより、一向宗の武力勢力は一時的に鎮圧されることとなります。その後、蓮如が仲介役となり、照蓮寺が内ヶ島氏の配下となることを条件に、明教の遺児である明心に照蓮寺の再興が許されました。この和解により、内ヶ島氏は本願寺との友好的な関係を築き、それは後の雅氏の代まで続くこととなります。

内ヶ島為氏は、激動の時代を生き抜き、白川郷における内ヶ島氏の地位を確立した人物として、歴史に名を刻んでいます。彼の武勇と政治手腕は、後世に語り継がれることとなりました。

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